Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字以内にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

食べる丸薬「胡麻(ゴマ)」は栄養の宝庫!

ゴマは昔から不老長寿の秘薬とされ、「食べる丸薬」とも言われてきました。日本での生産は鹿児島県等でごく限られていて、国内流通の99%以上が輸入品ですが、市販品は多彩で手軽に入手できます。

本報では、ゴマの栄養から摂り方までを紹介(更新リブログ)します。

 

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先ず、ゴマの栄養と健康効果です。

主成分の約50%が脂質で、約20%ずつがタンパク質と炭水化物(糖質は微少)です。その他、食物繊維(約10%)、ビタミンB群・E、カルシウム・鉄などがあります。

・ゴマ特有の成分として、リグナン類(ゴマリグナンセサミン、セサモリン、セサモール、セサミノール等)が含まれています。

脂質の80%以上はリノール酸(必須脂肪酸)やオレイン酸の多い良質の不飽和脂肪酸ですが、欠点の酸化されやすさは、ゴマリグナンとビタミンEの強力な抗酸化作用で防がれています。この抗酸化作用が、老化防止やがん等生活習慣病の予防などのアンチエイジングに有効であるのは周知の事実です。

 

ゴマは白ゴマ黒ゴマ金ゴマ」の3種類に大別されます。品種が違うわけではなく、種皮の色つまり見た目の違いですので、栄養的にも大差はありません。但し、は淡泊な風味、は強い香りに独特の風味、はうま味やコクが強い、という特徴があり、料理によって向き・不向きがあります。

 

ゴマの健康効果を実感できる1日の摂取量は、大さじ1~2杯(10~20g)と言われています。摂り過ぎは脂質延いてはカロリー過多やアレルギーに繋がるので、毎日少量ずつ摂る事が重要です。

 

その際注意することがあります。炒りゴマのままで摂ると、小粒かつ固い皮でほとんど潰せず飲み込んでしまうので、消化吸収が期待できません。必ず擂り潰してから、あるいは擂りゴマを使ってください。摺ったゴマの方が香りも引き立ち、食欲も一層かき立てられるはずです。さらに、豊富な油分を利用してペースト状に加工すると練りゴマになるので、お勧めです。

 

風味の優れたゴマは料理にアクセントを与え、かつ健康にも繋がります。是非、活用してください。

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)

ゲノム編集で作られる食品(その2:具体的な取り組みとその表示)

前報で、ゲノム編集による品種改良の方法について紹介しましたが、本報では具体的な取り組みとその表示について言及します。

 

まず、主なゲノム編集食品の取り組みを図で一覧します。

今年のノーベル賞を受賞した「クリスパー・キャス9」という新手法が8年前に報告されて以来、開発は急速に進んでいるようです。

 

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                    (NHKクローズアップ現代」(2019.9.24)より引用)

 

これらのゲノム編集食品は、本来の内在遺伝子の切り取りや無効化で機能を停止する編集(前報での(a))に入る物になります。

例えば、マダイは、ミスタチオンという筋肉増加のブレーキ役の物質の遺伝子機能を欠損させているし、イネも籾の数や米粒の大きさに関係する遺伝子を書き換える改変なので、機能停止には当たらないが、(a)の範疇です。

 

これら(a)の範疇に入るゲノム編集食品は、自然に起こる突然変異を意図的に行っているだけなので、通常の品種改良と同程度のリスクであるとして、届け出の義務はなく(厚労省)、表示も課されません(消費者庁)。但し、厚労省は食品安全の情報を含めた届け出を推奨して受け付けを開始(昨年10月から)し、消費者には開示する方針です。

 

ただ、遺伝子改変の際に、誤った遺伝子の切断(オフターゲット)や対象外の遺伝子の変異などの可能性も指摘されており、消費者が選択できるような表示の義務づけを主張する声も根強い。

 

いずれにしても、今後の食糧難を念頭に置けば、天然の昆虫食も含めた新たな食糧(遺伝子組み換えやゲノム編集などによる)に頼らざるを得ない状況が来ることは確かであると思われます。

 

その時までに、一般消費者の不安が解消されていれば良いのですが・・・?

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ゲノム編集で作られる食品(その1:手法と従来の品種改良との相違)

つい先日発表された今年のノーベル化学賞は「ゲノム編集」の技術開発に与えられました。

 

ゲノムとは、遺伝子(gene)と染色体(chromosome)から合成された言葉で、個体のもつ遺伝情報のことです。既に遺伝子組み換えによる作物や食品が市場に出回っています。いずれも、「遺伝子を人為的に操作しているので、なんとなく不安!」という印象が強いのではないでしょうか。

そこで本報(2報あり)では、ゲノム編集の手法と従来から行われてきた品種改良(遺伝子組み換えも含む)との相違や、具体的な食品応用への取り組みを紹介することにより、少しでも不安の解消に寄与できればと思います。

 

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ゲノム編集とは、その個体がもつ遺伝子を鋏(酵素)で切り貼りすることにより性質を改変することです。遺伝子組み換えは、他の個体の遺伝子(外来遺伝子)を挿入して改変することですので、本来無かった新たなタンパク質が作られる(アレルゲンの可能性を秘める)点で異なります。従って、後者は日本では規制の対象で、審査に時間がかかり表示も原則義務化されています。

 

しかしゲノム編集でも、(a)元の遺伝子を削ったり少し書き換える(自然の突然変異に近い)ものから、(b)別の遺伝子と入れ替える(遺伝子組み換えに近い)ものまであるので、どう対応するのかが問われています。ちなみに、欧州司法裁判所は「全て遺伝子組み換えとして規制する」判断をし、米農務省は「規制を行うことはない」と表明しています。

 

従来からの育種は計画的な交配を行うもので、放射線や化学薬品で突然変異を誘導する技術が進んでいますが、開発には5~20年かかります。

これに対してゲノム編集は2~5年の開発期間で、効率よく品種改良できるメリットがあるわけです。しかも、既存の遺伝子組み換えでは狙い通りに改変するのが困難であったのが、ゲノム編集(今回のノーベル賞を受賞した手法)では、精度良くピンポイントでの改変ができるようになっています。

ちなみに受賞者の言を借りれば、「バラの棘を無くす改変で、従来なら甘い香りも失っていたが、この手法では棘だけを無くせる」とのことです。

 

次報では、このゲノム編集の手法による食品応用への取り組みと表示の問題を紹介します。

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海の野菜と呼ばれる「海苔(のり)」の健康効果

海苔の原料である藻類は、海の栄養分を吸収して成長しますので海の野菜と呼ばれています。地球上で水があれば生息し得るので、極寒の地や火山性の台地など食用植物が獲れない地域では、食物としての役割を担ってきました。

本報では、この藻類から作られる海苔の健康効果についての情報を提供(更新リブログ)します。

 

          

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まず海苔の種類です。

加工方法の違いにより、生海苔乾燥海苔焼き海苔味付け海苔青海苔に分かれますが、現在の日本ではおにぎりや巻き寿司に使われている焼き海苔(板海苔)が主流です。

 

次に海苔の栄養価(100g当たり)です。

焼き海苔は水分がほとんど含まれていないので、その分栄養成分が濃縮されており、栄養の宝庫と言っても過言ではありません。

タンパク質が約40gと豊富(海の肉)で、炭水化物もほぼ同量含まれ大半は食物繊維で糖質は少ないので、低エネルギーと言えます。脂質は数g程度で少ないのですが、青魚に多いと言われているEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれています。ビタミンはD以外の12種類を含み、中でも葉酸が多いのが特徴です。ミネラルではヨウ素の多さが目に付きますが、カリウムや鉄も豊富です。

総合的には、1)ビタミンB1,B2が糖質を効率よくエネルギーに変え、疲労回復が期待できる2)鉄,B12,葉酸貧血予防に効果的です、3)海苔の約1/3を占める食物繊維(ポルフィランなど)は整腸作用に優れている4)その他タンパク質やヨウ素の豊富さも注目です。

 

最後に確認ですが、板海苔の基本サイズは21cm×19cmで1枚の重さは3gですので、一日によく食べても10gに届くかどうかです。また海苔は、三大旨味成分であるグルタミン酸(アミノ酸)に、イノシン酸グアニル酸(共に核酸系)を含んでいて、「日本の味」とも言われています。

栄養素の量や割合を鵜呑みにせず、海苔は納豆やシジミの味噌汁との相性は抜群で乳製品とも合いますので、効率の良い飽きない食べ方を工夫しましょう。

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秋が旬の果物「柿」には、医者いらず(?)の健康効果あり

秋が旬の果物と言えば、桃や梨、イチジクやブドウもありますが、その色から最も秋を連想するのは「」ではないでしょうか?

また柿は、「柿が赤くなれば医者が青くなる」と言うことわざもあるように、栄養に優れ嬉しい健康効果もありますので、改めて紹介します。

 

 

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先ずは栄養・健康成分(生の甘柿100g当たり(内、水分83g)、括弧内は干し柿(水分24g))を示し、→印で効果・効能を明らかにします。

・カロリーは60kcal(280kcal) →干し柿は水分が少ない分、糖質が多くカロリーも高い

三大栄養素では、糖質が14g(57g)あるが、タンパク質や脂質は0.5g以下

・ミネラルではカリウムが170mg(670mg)と多い → カリウムは体内の余分な塩分(Na)を排出し、高血圧予防むくみ解消に効く

・ビタミンではAが1mg(4mg)、Cが70mg(2mg)と豊富 → A(カロテンやクリプトキサンチン)が目の機能を維持し、C(干し柿では激減)は抗酸化作用がありかつコラーゲン生成も促す

・食物繊維は1.6g(14g)で、大半が不溶性 → 便秘改善や腸活に有効

・渋み成分として、ポリフェノールの一種であるタンニンを含む → 抗酸化作用があり二日酔いの防止にも効く、また柿渋が試験管レベルで新型コロナウィルスを不活性化するという報道があったばかりです

 

次に食べ方です。

皮を剥いて生で食べるのが一般的ですが、皮や実との間に多くの栄養があるので、皮ごと食べる(冷やすと甘さが増す)のが一番です。

干し柿にすると水分が減って含有成分が濃縮される(但し、ビタミンCは激減)ので、栄養効率は上がりますが、食べ過ぎないようにしてください。

熟して軟らかくなってしまった場合には、冷凍してシャーベットにすると美味しく食べられます。

 

この様に、栄養豊富でその健康効果も高い柿ですが、食べ過ぎないように注意する必要があります。その理由の一つは、東洋医学において寒涼性、つまり体を冷やす食べ物であるからです。もう一つは含有成分のカリウムが利尿をタンニンが貧血を引き起こすからと言われています。

これからが旬の柿は値段も手頃になりますので、是非、食後のデザートやおやつの時間に取り入れましょう。

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秋の味覚を代表する「キノコ」、その健康効果は?

これからが旬の秋の味覚を代表するのが松茸をはじめとする「キノコ」ですね。各種のキノコが店頭を賑わし、料理番組でも取り上げられています。しかし、その健康効果についてはあまり周知されていないようですので、ここでまとめてみます。

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まず栄養成分から見たキノコに共通の健康効果を挙げます。

・乾燥キノコ、特に天日干ししたものにはビタミンDが豊富で、カルシウムの吸収を促して骨粗鬆症の緩和や予防効果

多種類のミネラルを含有しており、特にカリウムにはナトリウムの排出作用、リンには骨や歯の形成作用

低エネルギー(生・ゆでのキノコではほぼ20kcal以下/100g)で、健康的なダイエット効果

食物繊維が豊富(特に水溶性より不溶性のものが8割前後)で、便通改善や有害物質の排出作用

 

また、キノコ別に固有の有効成分も明らかになっています。

・多くのキノコに含まれるβ-グルカンには免疫力向上や抗腫瘍効果、シイタケマシュルームエリタデニンには血中コレステロール低下作用、タモギタケに代表されるエルゴチオネインには抗酸化作用

 

さらに調理の関わりで言えば、シイタケには旨味成分のグアニル酸が含まれ、マイタケにはプロテアーゼによる肉の軟化作用があります。

 

キノコのことわざで「香りマツタケ、味シメジ」と言われますが、そのおいしさは、まず「香り」、次に肉質から来る「歯触り」、そして「旨味」ではないでしょうか。

 

生ものの鮮度は落ちやすいので注意して冷凍品や乾物の活用も考えて、秋の食卓でいろいろなキノコ料理を楽しみ、かつ健康を後押ししてみてください。

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ブーム中の発酵食品「甘酒」は、今こそ飲むべき!

ここ数年前くらいから「甘酒ブーム」と言われており、店頭には多種多彩な甘酒製品が並んでいるのを目にします。甘酒は俳句では夏の季語で、夏バテを防ぐ栄養ドリンクの意味合いがあったようです。

そこで本報では、甘酒の健康効果と具体的な摂り方について紹介(更新リブログ)します。

 

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そもそも甘酒には2種類あり、一つはこれまで一般的に飲まれてきた「酒粕甘酒」で、もう一つはブームの火付け役で最近脚光を浴びている「麹甘酒」です。後者は、元々味噌や醬油造りに使われる米麹を利用して作られるもので、ブドウ糖を始めとする多くの栄養素を含む(日本食品成分表(文科省,2015年版・七訂)ことから「飲む点滴」とも呼ばれています。アルコールは一切含まれていません。

期待できる健康効果を挙げます。

・糖質の大半がブドウ糖だが、オリゴ糖も含まれていて腸まで届いて善玉菌のエサとなり、食物繊維とも相まって腸内環境を整備してくれます。 

・タンパク質には9種の必須アミノ酸が全て含まれており良質です。

・ビタミンB群は効率的なエネルギー代謝に関わり、体力アップや美容に効果的です。

・その他麹甘酒には、麹が作る様々な成分による副次的な効果も期待できます → アミラーゼやプロテアーゼ等の消化酵素による消化・吸収の促進コウジ酸による美白効果エルゴチオネインによる抗酸化作用など。

 

飲む点滴と言われる大きな理由は、単糖であるブドウ糖が速やかに吸収されてエネルギーに代わり、活力を与えるからです。夜からの絶食期間明けで目覚めて直ぐの朝に飲むのがベストです。そのまま直接飲んでもOKですが、苦手な人は、牛乳や豆乳、ヨーグルトと混ぜて飲むと良いでしょう。

 

1日に料理も含めての摂る量ですが、ブドウ糖が多いことを考慮すれば、200mL程に留めるのが適量でしょう。一度にガブ飲みしなければ、オリゴ糖や食物繊維も含まれているので、急激に血糖値が上がる恐れはありません。

飲むだけでなく料理へも応用することを勧めます。多くのレシピが紹介されていますので、参考にしてください。

 

甘酒には多くの市販品が出回っていますが、パック詰めされる際に加熱殺菌(麹菌も)されていますので、熱に弱い酵素や栄養成分も影響を受けているはずです。従って継続的に飲用する場合には、家庭でも炊飯器や甘酒(ヨーグルト)メーカーがあれば、比較的簡単に手作りの「生」の麹甘酒が造れますので、是非チャレンジしてみることをお勧めします。

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