Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

植物性乳酸菌、特に「ラブレ菌」の優れた効能とは?

当該ブログでも、乳酸菌やそれによる腸活については複数回にわたって配信していますが、植物性乳酸菌に言及しているのは、「糠漬け」の記事(2021.1.29配信)の一部だけでした。

 

そこで本報では、乳酸菌の動物性と植物性の区別や、後者で注目されている「ラブレ菌」についての情報を提供します。

 

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そもそも乳酸菌は天然に多く存在している菌で、ヨーグルトやチーズなどの乳製品で見つかったから動物性漬物や味噌・醤油などの野菜や豆の発酵物で見つけられたから植物性、と一般的には言われています。

 

しかし、同じ菌でその両方に住んでいるケースも多々あり、科学的には正しい分け方ではないのですが、それを承知で、両者の特徴を比較してみます。

 ・動物性乳酸菌:乳等の栄養豊富な環境かつ一定の温度やpH条件下でしか活発に増殖しない

 ・植物性乳酸菌:野菜等の栄養が乏しくかつ高塩分濃度や低pH(酸性)などの過酷な環境にも耐性がある

従って植物性乳酸菌は、ヒトの胃酸や胆汁酸にも耐えて、生きたままで腸まで届くことが期待できるのです。

 

さてラブレ菌ですが、この菌は漬物の「すぐき」から発見されました。すぐきは京都の伝統的発酵漬物で、とりわけ酸味の強いことで知られています。

このラブレ菌の優れた効能が「免疫力アップ」なのです。少し専門的になりますが、ラブレ菌はインターフェロンαの生産力を上げてNK細胞を活性化するとのことです。さらにプロバイオティクスとして整腸作用(腸活)に効果的であることは言うまでもありません。その他、女性にはうれしい肌の保湿効果もあるようです。

 

ではの植物性乳酸菌やラブレ菌を摂取する方法です。

 

漬物、特にすぐきを食べれば良い、と思うのは最もですが、そう単純ではありません。つまり、市販の大半の漬物には生きた乳酸菌(発酵が進み味が変化)は含まれていないのです。

」やそれらしい表記のある漬物(キムチも)ならOKで、後は糠漬けなどの発酵漬けを手作りすることです。

より手軽に摂取しようと思えば、生菌入り乳酸菌飲料があります。

 

腸活には死菌よりも生菌の方がベターですが、死菌も一定の効果がありますので、毎日続けて摂取することが重要です。

また、自分に合った菌を探すことも必要です。種々の乳酸菌(先ずはヨーグルト?)を試す中に、植物性乳酸菌、とくにラブレ菌を加えてみることをお勧めします。

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)

医者いらずと謂われる「リンゴ」、その実力と実情は?

1日1個のリンゴは医者を遠ざける」のことわざはイギリス発祥のようですが、日本では「リンゴが赤くなると医者が青くなる」と謂われています。

いずれにしてもリンゴの健康パワーを象徴しているようですが、果たして本当なのでしょうか?

本報では、そんなリンゴの実力と実情について情報提供します。

 

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まずリンゴの栄養成分ですが決して豊富とは言えず、果物の代名詞でもあるビタミンCも少量しか含まれていません。しかし食物繊維をはじめ、リンゴポリフェノールなどの健康成分がパワーというか効能に結びついています。

 

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                (わかさ生活のHPより引用)

 

生活習慣病予防ポリフェノールペクチン(水溶性食物繊維)、カリウム

 ・整腸作用ペクチン

 ・疲労回復 ← リンゴ酸やクエン酸などの有機

 加えて、特にプロシアニジン(ポリフェノールの一種で主成分)には強い抗酸化作用が認められている。

 

次にリンゴのポピュラーな品種の味比べチャートを紹介します。

 

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                     (VEGE SHOPのHPより引用)

 

リンゴの王様は「ふじ」で、生産量が世界一です。(有袋)ふじ、サンふじ、早生ふじの3種が出回っていて、味覚や出荷時期もそれぞれ異なっています。

リンゴと言えば「紅玉」に象徴されるように赤い玉を連想しますが、近年は黄色いリンゴ(王林に加えてシナノゴールドトキ等)が目に付きませんか? 希少品種の「ぐんま名月」も最近は関西でも目に留まります。

さらに、「紅の夢」という果肉まで赤いリンゴも開発され、将来は皮が白くて果肉が赤い品種(逆転リンゴ)も可能だとか。

 

最後は、リンゴの摂り方です。

上述したポリフェノールペクチンも皮に多く含まれているので、皮ごと食べるのがお勧めです。硬い皮が苦手なら、皮ごと焼きリンゴにするのもありですが、プロシアニジンは熱に弱いので、生で食べる方がベターでしょう。

また果物全般に通じることですが、朝食べるのが金で、夜は控えるべきです。

 

いずれにしても、店頭には多品類のリンゴが並んでいますので、早生ふじを基準に、品種にこだわって味比べを楽しみかつ健康に繋げてください。

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)

 

秋の味覚を代表する「キノコ」、その主要な品種と特徴は?

秋の味覚を代表するのが松茸をはじめとする「キノコ」です。各種のキノコが店頭を賑わしているのが目に留まります。

そのキノコの健康効果については既に配信済み(2020.9.18)ですので、本報では、主要なキノコを採り上げてそれぞれの特徴をまとめてみます。

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まずキノコに共通する栄養・健康成分を簡単に再掲します。

 ・低エネルギー(生・ゆでのキノコではほぼ20kcal以下/100g)

 ・ビタミンB群ビタミンD(特に天日干し)が豊富

 ・多種類のミネラル(特にカリウムやリン)を含有

 ・食物繊維(特に不溶性のものが8割前後)が豊富

 ・β-グルカン(多糖)には免疫力向上や抗腫瘍の効果

 

キノコと言えば、ことわざで「香りマツタケ、味シメジ」と言われますが、その辺りから紹介していきます。

 ・マツタケ:芳醇な香りで知られ、人工栽培ができない希少なキノコ。網焼き、吸い物、炊き込みご飯、すき焼き(香りは?)などに。

 ・シメジ:多種類のキノコの総称で、主流はブナシメジ。歯ごたえがよくマイルドでクセがないので、炒め物や煮物・鍋物をはじめ、パスタや肉・魚の添え物にと万能。

 ・シイタケ:代表的な食用キノコで、生と乾(干し)がある。特に乾には旨味成分のグアニル酸が豊富で出汁取りに使うので、煮汁も有効に。生は水にさらさず加熱調理も短めで、油を使う炒め物や揚げ物がベター。

 ・エノキ:野生種は茶褐色で、主流は人工栽培の白い品種。リラックス効果のGABAが豊富で、クセがなく歯ごたえと瑞々しさがありどんな食材とも合うが、加熱しすぎはNG。

 ・マイタケ:傘の表面は灰褐色でも下は白く、柔らかで歯切れが良い。タンパク質分解酵素活性が強く、肉の食感を柔らかくするが茶碗蒸しに入れると固まらなくなる。鍋物、天ぷら、炒め物、炊き込みご飯などに。

 ・エリンギ:香りはあまりないが、クセのない味とシャキシャキ感が魅力。和え物、焼き物、炊き込みご飯に、また油との相性も良いので炒め物にも。

 ・マッシュルーム:日本には自生せず、欧米を中心に人工栽培されてきたキノコで、和名はツクリタケ。白と茶が主流で、前者はクセが少なく後者は香りと味がやや濃厚。鮮度が良ければ白は生でサラダやマリネに。茶は加熱向きで、煮込み料理やソテーに。  

 

生もの(唯一生食可は新鮮なマッシュルーム)の鮮度は落ちやすいので注意し、冷凍品や乾物の活用も考えて、秋の食卓でいろいろなキノコ料理を楽しみかつ健康を後押ししてみてください。

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)

今話題の「MCTオイル」とは?、その注目点は?

油(オイル)と言えば不健康なイメージが付きまといますが、近年、多種ある油の差別化も進み、良質な油が注目を集めていて、中でも話題性が高いのが「MCTオイルです。

当該ブログでも以前、「健康に良い油と悪い油」と題して3報(2019.6.20~)と「食用油の特徴とその使い方」(2021.3.12)で配信していますが、MCTオイルについては触れていませんでしたので、本報で改めて言及します。

 

先ずは、そもそもMCTとは何かについてです。

MCTとは、Medium Chain Triglycerideの頭文字で、中鎖脂肪酸を構成成分とする中性脂肪(油)のことです(ほとんどの記事では中鎖脂肪酸のことと書かれていますが、正確ではありません)。従って、MCTのTは油のことですからオイルの語は不要なのですが、矛盾を承知で商品名としての判りやすさを優先したのでしょう。

 

さて少し専門的になりますが、油(トリグリセリド)グリセリン脂肪酸が3つ結合した構造です(左下図)。

 

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そして、脂肪酸は炭素(C)の鎖の長さによって3種類に分類されます(右上図)。

 

つまりMCTオイルは、3つの脂肪酸が全て中鎖脂肪酸から成っている訳です。天然のココナッツ油にも中鎖脂肪酸が含まれています(約60%)が、市販のMCTオイルは100%中鎖脂肪酸に精製されたものです。

 

一般的な食用油脂肪酸が全て長鎖脂肪酸で、摂取後トリグリセリドが一部分解されて体内に吸収されると、大半は再びトリグリセリドに再合成されて脂肪として蓄積されます。

ところが長鎖ではなく鎖が短い中鎖脂肪酸は素早く吸収されて、体脂肪に成らずにエネルギー源として消費されやすいのです。

 

MCTオイルの健康に関わる注目点をまとめると次の様になります。

 1)脂肪に成りにくく、エネルギーとして消費される。

 2)脂肪燃焼工場であるミトコンドリアを活性化し、効率よく脂肪をエネルギー化する。

 3)ケトン体を生成し、筋肉や脳のエネルギーになる。

要するに、1),2)からは肥満予防(ダイエット効果?)、3)からは運動の持久力向上や認知症予防がそれぞれ期待できます。

 

最後にMCTオイルの摂り方です。

油ですが加熱調理には不向き(発火の恐れあり)なので、生で摂取(サラダやスムージーの他、下図参照)ください。一度の摂取量は小さじ1杯(5g)位から始めましょう。速効を期待しての大量摂取は腹痛や下痢に繋がるので、控えてください。

 

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多種ある油には、それぞれ特徴があります。既述のココナッツ油の他、オリーブ油ゴマ油米油亜麻仁油エゴマ等々・・・。一つの油に拘るのではなく、TPOに応じての使い分けが必要です。そこに新たにMCTオイルを加えることをお勧めします。

((*)イマカラ、(**)日清オイリオグループ株式会社のネット記事から引用。また、本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)

新たな健康トレンド「藻活」の藻類とは?

藻類と聞いて思い浮かぶのは、わかめや昆布、ひじき等でしょうか。海苔もそう(ここまで海藻類)ですし、近年クロレラは元より、スピルリナユーグレナ等(微細藻類)も出てきて、多種多彩です。

 

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そもそも藻類は、二酸化炭素(CO2)を吸収して光合成を行う生物なので、糖類をはじめタンパク質、油、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素の他、食物繊維も含めて栄養豊富な優れた食材です。

 

そこで本報では、そんな藻類の様々な健康効果が認知される中で、はやり語で言うなら「藻活」が注目されているので紹介します。

 

まずは上記でも少し触れた栄養面ですが、海藻類と微細藻類ではその特徴が異なります(そこから繋がる効能は→以下)。

 ・海藻類:海水中のミネラルを吸収していて豊富(カルシウム・マグネシウムカリウムヨウ素等)。フコイダン(ネバネバ成分)やアルギン酸等の水溶性食物繊維も多い。

 → 生活習慣病予防、腸内環境の改善、免疫力アップ、ミネラルの補給など

 ・微細藻類:人工的に培養生産された藻体乾燥粉末が主流なので、高タンパク質(乾燥重量の40~70%)が特徴。ビタミンやミネラルも含有。海藻に比べて吸収率が高い。

 → 免疫力アップ、アンチエイジング効果、コレステロール中性脂肪の抑制、タンパク質の補給。

 

海藻類は緑藻類、褐藻類、紅藻類という3つのグループに分類されますが、色による区分けではなく、生息している海の深さに依っているのです。

 ・緑藻類(浅瀬):アオサ、アオノリ、海ぶどう、ミル(海松)など → 汁物、サラダ、キムチ、天ぷらなどに使われる料理の名脇役

    ・褐藻類(やや深い):ワカメ、昆布、ヒジキ、モズク、メカブなど → 味噌汁や酢の物に使われる日本を代表する海藻

 ・紅藻類(深海):海苔、テングサ、トサカノリ、エゴノリなど → おにぎりやトッピング、サラダに使われ、特に海苔がメイン

 

微細藻類は上記でも挙げた3種について、健康食品・サプリとしての特徴に言及します。

 ・クロレラ:タンパク質量60%でアミノ酸スコアは50、60種類以上の栄養素を含む健康食品の元祖。

 ・スピルリナ:タンパク質量65%でアミノ酸スコア50、細胞壁が薄く消化率が良い。フィコシアニン等の色素含有率が高くエイジングケアにも期待。

 ・ユーグレナ(ミドリムシ):タンパク質量50%でアミノ酸スコアは80と良質、細胞壁がないので消化率良好。パラミロンというβ-グルカン様の多糖(難溶性食物繊維)を含有し免疫力がアップ。

 

以上藻類のついて紹介してきました。

伝統的な海藻類の新たなレシピ(*)に挑戦するも良し、微細藻類の乾燥粉末やサプリを試すも良し、またSNSを賑わせている青色(藻に色素)のデザートやスムージから入るのもありなので、意識して「藻活」を始めてみてはいかがでしょうか。

((*)キナリノ 海藻で検索、また本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)

今話題の抗老化成分「NAD・NMN」とは?、食事で摂れるの?

最近のテレビ番組(*)でも取り上げられて話題の抗老化成分「NAD・NMN」ですが、老化を遅らせる様々なエビデンスは納得できても、それらの成分がどんな物質なのかは?のままでした。

 

そこで本報では、NADとNMN(いずれも略称)がそもそもどんな物質なのか、それらが食事で摂れるのかについて、情報提供します。

 

少し専門的になりますが、NADコチンアミド デニン ヌクレオチドNMNコチンアミド クレオチドで、それぞれ下線の英語の頭文字を並べたものです。いずれも語尾にヌクレオチドとあることから、核酸系の物質であることが判ります。

 

重要なのはNADの方で、ヒトの体内でエネルギーなどを生み出す酸化還元反応補酵素の役割を担っていますが、加齢に伴って減少していくようです。

そもそも酵素反応には、酵素タンパク質だけで進行するタイプと補酵素を必要とするタイプがあります。補酵素とは酵素(enzyme)を補う訳ですが、酵素反応が進行するために補酵素の存在は必須で、不在なら進行しないのです。補酵素は coenzyme、つまり共同酵素と言うことからも解ります。

 

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例えば、酒の成分であるエチルアルコールが体内で最初に受ける酸化反応を挙げます。

   CH3CH2OH + NAD ―→ CH3CHO + NADH2

    (エチルアルコール)             (アセトアルデヒド)

この反応はアルコール脱水素酵素が行いますが、補酵素であるNADが脱した水素(H2)の受け手になり、無事に反応が進行する訳です。

 

このように、NADは体内の様々な酸化還元反応補酵素として必須な訳ですから、不足すると重大な影響(老化など)が現れるはずですし、直接サーチュイン(老化や寿命を制御する酵素で、その遺伝子は長寿遺伝子)を活性化することもマウスの研究ですが判っています。

 

一方NMNは、体内でNADに変換する物質という位置づけで、NADのままで摂取しても取り込まれ難く、前駆体のNMNが注目され各種のサプリも販売(高価?)されています。

 

最後に、食事で体内のNADを増やす方法を紹介します。

NADもNMNも食品からの必要量摂取は期待できませんので、NADの原料であるナイアシン(ビタミンB群の一種:B3)を多く含む食品を摂取することが現実的です。

ナイアシンは、魚介類・肉類・きのこ類・穀類などに多く含まれています(**)。

では現実のナイアシン摂取(1日の概算)はというと、男女とも平均30mg前後で、推奨量

10~15mg(耐容上限量 数百mg)を充たしている状況なのです。

 

要するに、NADは健康で老化を遅らせるためには必要不可欠な成分ですが、一日三食をしっかり摂っている方は、新たに対応しなくても良いことになります。ナイアシンを多少多く摂るようにしてもOK(上記の耐容上限量は意識)ですが、慌ててNMNのサプリに走るのは不必要でしょう。

ただ、食生活が乱れている方や偏食の方は、この際、食事の見直しをしてみることをお勧めします。

((*):羽鳥モーニングショー,10/18放映分、(**):hfnet,ナイアシンをフォローしてください。また本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)

新たな腸活の主役、「酪酸菌・酪酸」の機能とは?

腸活腸内フローラに関しては、当該ブログでも過去に数回配信しています(2019.4.11や2020.12.4等)が、その中で酪酸菌や酪酸については触れていませんでした。

しかし最近、新たな腸活の主役として「酪酸菌」が注目を浴びていますので、本報で改めて紹介します。

 

本編に入る前に、腸活と腸内フローラについて、簡単に復習しておきます。

腸活とは、腸内フローラを整える活動のことです。

腸内フローラとは、ヒトの腸内に生息する多種多様な細菌(約1000種、100兆個)を花畑(flora)に例えたものです。その細菌叢のバランスは、善玉菌悪玉菌日和見がほぼ2:1:7であるのが理想的なのです。しかし、食事をはじめ様々な生活要因によって日々その菌叢は変化し、下手をすれば悪玉菌が増えて健康を損ないかねません。従って腸活、特に善玉菌を増やすことが必要になってくるわけです。

 

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             (DyDo:健康作りのHPより引用)

 

さてその善玉菌は、乳酸菌やビフィズス菌等が重視され周知もされていますが、ここに酪酸菌が長寿の秘訣であるとの最新の研究報告が出て、注目の的なのです。

つまり、京丹後市は日本有数の長寿地域だが、高齢者の腸内フローラを京都市のそれと比較したところ、前者の腸に多い菌の上位4種が酪酸菌であったのです(京都府立医科大学)。

その他海外の研究で、コロナ重症度の高い患者、糖尿病や肥満の患者ほど腸に酪酸菌が少なかったことも判っています。 

 

酪酸菌とは、文字通り酪酸を作る唯一の菌です。乳酸菌は乳酸を作り、ビフィズス菌は乳酸の他に酢酸も作ります。

酪酸は酢酸とともに短鎖脂肪酸に分類され、腸内を弱酸性に保って悪玉菌の増殖抑制や腸の炎症予防などの効果を発揮します。酪酸はさらに、大腸のエネルギー源として腸内環境を改善し、水分やミネラルの吸収促進に働くなど、大腸の機能にとって必要不可欠です。

 

では、腸で酪酸菌や酪酸を増やすにはどうすれば良いのでしょうか?

酪酸菌を食事からとなるとぬか漬けや臭豆腐等に限られるので、酪酸菌の餌になる水溶性食物繊維を積極的に摂取することになります。

水溶性食物繊維の多い食品(一食分)は次の様です。

 ・ひじき、わかめ、昆布等の海藻類 ・イチジク、アボカド、キウイ等熟した果物類 ・ゴボウ、ブロッコリー、オクラ等の野菜類 ・豆腐、納豆、枝豆等の大豆製品 ・麦飯、麦パン、オートミール等の主食類

 

最後に確認ですが、腸活の基本は複合摂取(シンバイオティクス)です。つまり生きた善玉菌を含む食品(プロバイオティクス)と善玉菌の餌(プレバイオティクス)を同時に摂取することです(酪酸菌に関しては後者の比重大ですが・・・)。加えて、適度な運動習慣も大事なので継続してください。

是非、腸活により長寿菌である酪酸菌を育てて、健康長寿に繋げようではありませんか。

(本文中の下線部のしょう細については、インターネット等の情報で確認してください。)