Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

万人に人気の「プリン」、手作りから激安パックまで様々!

子供からお年寄りまで、万人に人気の「プリン」ですが、スーパーやコンビニでも1個数百円から3個パック100円以下まで、様々な市販品が並んでいます。

 

                           

 

しかしプリン1個の値段が、なぜこれほど差があるのか、疑問に思ったことはありませんか?

 

本報では、そんな市販プリンの疑問に答えたいと思います。

 

そもそもプリン(カスタードプリン)は、たんぱく質を加熱することによって固めた菓子で、柔らかさを出すために牛乳(豆乳)、さらに甘味に砂糖を加えるというシンプルなもので、この3品で手作りができる(レシピ多数あり)のです。

 

以下に、市販品で手作りに近い物からほど遠い物まで、順に紹介します。

 

A:手作りに近いプリン(一例,下図)

 → 原材料:乳製品・砂糖・全卵卵黄の4品。

  栄養成分表示(100g当たりに換算(*)):エネルギー 161kcal・たんぱく質 5.5g・炭水化物 19.0g。

  価格(*):100円前後

 

           

 

B:普通のプリン(一例)

 → 原材料:全卵・牛乳・水あめ・果糖ぶどう糖液糖・砂糖・脱脂粉乳・生クリーム・洋酒/香料・ゼラチンの9品

  栄養成分(*):エネルギー 131kcal・たんぱく質 5.0g・炭水化物 19.9g

  価格(*):100円前後

 

C:激安プリン(一例,3個パック)

 → 原材料:ぶどう糖果糖液糖・乳製品・植物油脂・コーンスターチ・水あめ・カラメルシロップ・卵黄(卵を含む)・乳糖・食塩・ゼラチン寒天・乳たんぱく/ゲル化剤(増粘多糖類)・着色料(カラメル、カロテン)・香料・乳化剤・pH調整剤の16品。

  栄養成分(*):エネルギー 118kcal・たんぱく質 1.4g・炭水化物 20.2g

  価格(*):40円前後

 

改めて、手作りに近いAからB、Cへと見ていって、気づくことを挙げます。

 ・原材料の品目数が 4 → 9 → 16 と急激に増えていて、それに伴い多くの添加物を使用

 ・基本は卵のたんぱく質を加熱して固めるのだが、Bでゼラチン、Cでゼラチンと寒天に加えてゲル化剤(増粘多糖類)、という凝固剤が使われており、たんぱく質不足(特にC)が栄養成分の数値からも明らか。

 ・甘味はAのように砂糖がベストなのだが、BもCも安価で血糖値の上がりやすい異性化糖(果糖ぶどう糖液糖やぶどう糖果糖液糖)を使用。しかもCは原材料のトップ表示なので、添加量も最大。

 

では味はどうかというと、手作りやAは口切れが良く美味しさが後味として残るが、ゼラチンや増粘多糖類が使われているBやCは、ねっとりした食感が口の中に残るのです。

 

また、プリンには乳製品のような「規格」がないので、原材料や製法にかかわらずプリンと表示できます。

 

味など好みは人それぞれですし、味より安さで選ぶ人もいるでしょうが、特に子供に対して激安プリンは控えるべきです。

市販プリンは1個100円前後が大半を占めています(上記のAやB)が、原材料名(その表示順も)を確認すると、手作りに近いものかそうでないかは判ります。

価格が変らないのであれば、無添加で素材の味が生きているプリンを、是非、選んでください。

 

(本情報の一部は、平気で「プリン」を買う人が知らない超残念な真実:安部 司(東洋経済ONLINE,2022.11.5)を参照しました。また本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)

腸内フローラ研究が進化、「腸活」の見直しを!

健康にとって腸内環境が重要であるのは周知のことで、その環境を整えることを「腸活」と称し、関心を集めています。

 

当該ブログでも既に数回取り上げていますが、先ずは半年ほど前の配信(2022.6.24)を確認してください。

 

本報では、腸活ブームの中、疎かにされがちな基本に立ち返って、腸活をより効率化できるように導きたいと思います。

 

       

               (ViVi.tvより引用)

 

基本1:乳酸菌とビフィズス菌は似て非なるもの

ヨーグルトに含まれている菌ですが、乳酸菌とビフィズス菌とは全く異なっています。

 ・乳酸菌:主に小腸に棲み、大腸には届かない。乳酸を生産することにより小腸内を酸性にして、有害菌の増殖を抑える。→ 明治ブルガリア・プロビオ、ヤクルトソフールフジッコカスピ海など

 ・ビフィズス菌:主に大腸に棲み、乳酸と酢酸を生産して有害菌の増殖を抑える。この酢酸が多くの効能をもたらすと注目されている。→ 森永ビフィダス、グリコBifix、ダノンビオなど

どちらの菌も大事ですが、目的によって摂取し分けることが大切になります。

 

基本2:発酵食品と食物繊維はセットで不可欠

発酵食品は生きた有用菌を食事で摂る(プロバイオティクス)ことで、小腸や大腸内の有害菌の活動を抑えてそれぞれの環境を整える。→ 乳酸菌、ビフィズス菌、納豆菌、麹菌などを含む食品

食物繊維は有用菌を増やすための餌(プレバイオティクス)で、有用菌を育てて健全な腸内フローラを維持する。→ 特に有効なのが水溶性食物繊維で、リンゴやバナナなどの熟した果実、海藻類、大豆、大麦、寒天など

 

基本3:タンパク源は植物性が良い

赤肉などの動物性タンパク源は高脂肪食であり、腸内フローラを変えてしまうほどの悪影響をもたらす。動物性でも魚類はOKで、植物性の大豆などの豆類は食物繊維も同時に摂れるのでベター。

食物繊維摂取が少なく高脂肪食の人は腸内環境が悪化しており、太っているのに筋力が落ちている傾向が見られるので、注意が必要です。

 

腸内フローラの研究は、近年遺伝子解析ができるようになって飛躍的に発展し、数百種類・100兆個の菌を、従来の善玉菌・悪玉菌・日和見菌という単純な分類はできない、という趨勢です。

そして最新の研究では、日本人の腸内環境の違いを5つのタイプに分けられることが判り、タイプ別に改善法を提案できるようになるとのこと(次の機会に紹介できれば)。

 

腸内フローラは免疫機能をはじめうつ病パーキンソン病動脈硬化、糖尿病、肥満、炎症性腸疾患、リウマチ、アトピー性皮膚炎など、さまざまな病気や病態に関連していることが明らかになっています。

 

健康増進・病気予防のために腸活を今一度見直し、上記の基本1~3を認識した上で、先ずは摂取率の低い食物繊維(中でも水溶性)を、しっかり摂るようにすべきではないでしょうか。

 

(本情報は、内藤裕二氏(京都府医大・教授)への取材を基にした婦人画報の記事(2022.10.25配信)を参照し引用・改編しました。また本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)

夏に収穫される「かぼちゃ」、食べ頃は秋から冬

ハロウィンでも注目のかぼちゃですが、「旬は?」と問われると躊躇します。

収穫が盛んになるのは夏で、もちろん直ぐに食べられますが、水分が多くて甘味も少ないのです。そして、数ヶ月追熟させることで甘味が増した物が秋から冬にかけて出回るので、これからが旬と言っても良いのではないでしょうか。

 

かぼちゃには日本かぼちゃと西洋かぼちゃ(下図)がありますが、市場に出回っている主流は西洋かぼちゃ(以後かぼちゃ)です。国産品が出回らなくなる12月~6,7月頃は輸入品が店頭に並ぶので、年中手に入れることができています。

 

      

        (orangepage.netより引用・改編)

 

先ずは、かぼちゃ(ゆで)の栄養成分(100g当たり)とその効能です。

 ・糖質は17.4gで、水分(75.7g)を除く成分の7割強を占めている

  → 高糖質でエネルギー源になり、GI値は65で中位。冷やして食べれば血糖値はより上がりにくくなる。

 ・食物繊維は4.1g(水溶性0.9g+不溶性3.2g)含有。

  → 不溶性が多く、便秘の予防や改善に効果あり。

 ・ビタミン類ではAに変るβ-カロテン(果肉の黄色)が大量に含まれ、CとEも豊富。

  → 文字通りACE(エース)が揃い、抗酸化作用(免疫強化、疲労回復等)をより強く発揮できる。

 ・ミネラル類ではカリウムが豊富。

  → 塩分(ナトリウム)の排泄を促し、むくみを予防・改善する。

 

これらの栄養やその効能を逃さない調理および摂取法を紹介します。

 ・β-カロテンやビタミンEは脂溶性でかつ熱に強い成分なので、油と一緒に調理すると吸収率がアップ。

 ・逆にビタミンCは水溶性で熱に弱いが、デンプンに守られているので損失は少ない。茹でたり煮たりする場合には汁も一緒に摂ると良い。

 ・水を使わないレンジ(速熱:調理前処理)やオーブン(じっくり加熱:甘味アップ)をケースバイケースで利用する。

 ・皮にはβ-カロテンや食物繊維が果肉より多く含まれているので、剥かずにそのまま食べるのがベターです。

 ・種にも、良質な不飽和脂肪酸やミネラルなどが豊富なので、上手に調理して料理のトッピングやおつまみなどに活用すると良い。

 

かぼちゃ丸ごと1個は1kg強あって1回で使い切れないので、カットした物(1/2や1/4)を吟味して選ぶのも良いし、一口大にカットされた冷凍物(栄養的に「ゆで」と遜色なし)を利用するのもありでしょう。

 

冬至にはかぼちゃ」と言われて病気予防を願うように、栄養豊富な緑黄色野菜ですので、寒くなるこれからの食卓に活用してください。

但し、食べ過ぎには気を付けるべきで、1日の摂取量としては100g程が無難でしょう。

 

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)

10月18日は「冷凍食品」の日、そのメリットやお勧めは?

冷凍食品の日は、冷凍の凍(とう)から10、その管理温度が-18℃以下から18にちなみ、10月18日に業界団体の日本冷凍食品協会が定めました。

        

       

 

ここで言う「冷凍食品」とは、単に凍った食品や凍らせた食品の一般名称ではなく、業界用語で次の4つの条件を満たしている食品のことです。

  • 前処理している:新鮮な原料を洗浄し、可食部のみにする
  • 急速冷凍している:-30~-40℃で素早く凍結し、品質を保つ
  • 適切に包装している:流通・保存時の品質低下を防ぎ、衛生状態を保つ
  • 品温が-18℃以下に保たれている:微生物が増殖できない-15℃以下より、さらに3℃低く設定し、腐敗防止だけでなく風味や味わいの劣化も防ぐ

 

冷凍食品の国民一人当たりの消費量は、日本冷凍食品協会が発足した1969年の1.2kgから、半世紀後の2018年には22.9kgと20倍弱に伸びていて、今や食卓の必需品であることは疑う余地がありません。

 

その冷凍食品のメリットを挙げると次の様になります。

 ・前処理済みで、少しの手間(加熱や簡単な調理)で食べられる物が多く、時短になる

 ・急速冷凍の技術により、品質が保たれ、味わいも良い

 ・保存が利き、衛生的なので、安心してストックできる

 

逆にデメリットとして、食品添加物が多い、栄養が壊れている、食事が偏る、等が指摘されています。

しかし前2者に関しては冷凍食品に限ったことではなく加工食品全般に言えることで、かつ加工の度合いやその過程により多少が出てきます。さらに食事が偏る点に関しては、当然冷凍食品のみではそうなりますが、組み合わせの中の一品であれば(そうあるべき)、問題にはならないはずです。

 

冷凍食品別の人気は、調理済みかつ加熱するだけで食べられる餃子や唐揚げ、炒飯等ですが、ここでお勧めしたいのは、「冷凍野菜」です。

もちろん、旬の野菜を生で食べるのが栄養的には優れているが、買い置きすると鮮度は落ちていくし、今は毎日の買い出しも難しい状況なので、冷凍野菜が重宝するのです。

 

冷凍野菜は、旬の時期の物を使い、ブランチングという加熱処理を行なった上で、急速冷凍して作られます。ブランチング処理で水溶性かつ熱に弱い栄養素(ビタミンB群やC、一部のミネラル等)が多少減るが、旬以外の時の生よりも優れている面も多いのです。

そして使う際には、自然解凍ではなくそのままで加熱調理やレンチン等の急速解凍して、かつ加熱しすぎないことです。

 

最後に冷凍食品の品質に関してですが、日本冷凍食品協会による「冷凍食品認定制度」に適合した工場で作られ、認定基準に適合した冷凍食品のみに付けることができる認定証マーク(下図)があります。

安全と信頼の証なので、包装の表示で確認すれば安心できます。

 

冷凍食品に頼り切るには良くないですが、上手に活用すれば食生活が豊になることは確かですね。

 

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)

野菜の摂取、生が大半も「スープ」がお勧め!

野菜の1日摂取目標値が350gであることはほぼ周知されているものの、実際の摂取量は成人の平均値が280g程で、摂取不足が明らかな現状です。

 

            大阪府のHPより引用)

 

普段の野菜の摂取方法は、手軽なサラダ等「生野菜」が大半を占めていますが、その350gは上図のようにかなりの量になります。そこで調理等手を加えることで、カサが減って含有成分の吸収率が上がる等のメリットがあるので、勧められるのです。

 

本報では、生以外の野菜摂取法の中で「スープ」を取り上げて紹介します。

 

先ず、「野菜スープを毎日の食卓に取り入れるべき」と提唱しているのが、抗がん剤の権威である故前田 浩氏(熊本大医学部名誉教授)なのです。

 

前田氏は、がんをはじめ、コロナやインフルエンザ等ウィルスによる炎症の原因は「活性酸素」であることを突き止め(いわゆる活性酸素の害)、中和する成分として「抗酸化物質」を体外から援軍として入れることで予防ができる、との確信を得ました。

次に、何が最適かをスクリーニングした結果、野菜や果物が最高の活性酸素消去物質(=抗酸化物質←ファイトケミカル)を含んでいることが判ったのです。

そして、その摂取法として「野菜スープ」を推奨している。

 

では、具体的なスープの調整法です。

   ・大根と人参を基本に玉ネギ、インゲン豆、レタス、小松菜など、10種類程の野菜を細かく刻み、沸騰する前に弱火にして30分程煮る。そして、醤油や塩などで味を調える。

   ・大根や人参などは根より葉、キャベツは緑の濃い外の方が抗酸化物質を多く含むので、捨てずに炒めて(カロテノイドの吸収アップ)入れる。

   ・野菜に限らず、キノコ類や海藻類(多糖類が免疫力アップ)、肉類(旨味アップ)を入れても良いし、硬水(ミネラル分アップ)を使っても良い。

 

野菜の細胞は硬い細胞壁に包まれているので、生のままを良く噛んでも、ジュースやスムージーにしても、それほど壊れません。しかし煮ることで簡単に壊れて、細胞の中の抗酸化物質が外に出てくるのです。熱に弱いビタミンCの分解が懸念されますが、野菜の中ではほとんど壊れません。

 

結果的に、スープの抗酸化力(活性酸素を消去する力)は、生野菜をすり潰した汁よりも10~100倍強になります。

 

最後にどんな野菜を使うかに関しては、基本的にハウス栽培よりも露地栽培のもの、季節はずれのものよりのものが、抗酸化力が強いので、お勧めです。さらに、農薬の少ない有機野菜であればベストでしょう。

 

野菜をスープにするには一手間掛かりますが、野菜摂取量の上積みになる上に、健康効果はがんや感染症予防、免疫力アップ、腸内環境改善など計り知れません。是非、毎日の食卓に取り入れてください。

 

(本情報は、奥野修司氏(野菜は「生」で食べていけない,講談社の著者)の記事を参照し一部引用しました。また本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)

認知度低い「マグネシウム」、重要だが不足がち!

マグネシウム(Mg)」は五大栄養素の一つミネラルの主要な一種で、体に必須だが体内で合成できないため、食品から摂取しなければいけません。

しかし現代日本人の多くはマグネシウム不足に陥っているにもかかわらず、その重要性があまり認知されていないので、本報で明らかにしようと思います。

 

       

 

まずはマグネシウムの機能ですが、多岐にわたっています。

 ・エネルギー産生に関わる酵素を活性化させる

 ・骨の柔軟性や弾力性を高める

 ・筋肉の動きをスムースにする

 ・体温や血圧を適正に保つ

 ・神経情報の伝達を正常に保ち、ストレスを鎮める

 

従って、マグネシウムが不足すればこれらの機能に支障を来し、糖尿病や高血圧など様々な病気・不調の引き金になる訳です。

 

食品に含まれるマグネシウム含有量は精製・加工されるほど減るし、塩分の摂りすぎやストレスで体内マグネシウムの尿中排泄量が増えることが、現代人のマグネシウム不足の背景にあるのではないでしょうか。

 

カルシウムの摂取不足も指摘されて久しいですが、カルシウムとマグネシウムをバランス良く(ほぼ2:1)摂取することが重要であり、両者が拮抗することで、体の様々な機能が正常に保たれるようになるのです。

 

成人男女(30~64歳)のマグネシウム1日推奨量は370mgと290mgですが、若い世代ほど摂取不足が目立ち、男性で100mg以上、女性でも50~80mg程足りません。

 

そこで、マグネシウムを多く含む食品の頭文字をつなぎ合わせた標語が考案されました(下図)。

     (*)

 

これらの食品にはマグネシウムに加えて、ビタミン類・タンパク質・食物繊維も豊富なので、一食品に偏らず、毎日の献立に取り入れるようにしてください。

主な食品(上図)のマグネシウム含有量(100g当たり)は、次の通りです。

 ・バナナ 30mg・焼きのり 300mg・木綿豆腐 60mg・ごま 360mg・切り干し大根(乾) 160mg・サバ缶(水煮) 30mg・納豆 100mg・くるみ 150mg

 

アンチエイジングミネラル”といっても過言ではないマグネシウムを毎日十分に摂取し、元気で生き生きと過ごそうではありませんか。

 

((*)日本経済新聞 プラス1:カラダづくり「マグネシウム不足」(2022.10.1)を参照し一部引用しました。)

「超加工食品」とは?、摂りすぎに注意!

加工食品という言葉はよく見聞きしますが、「超加工食品」は初耳という方が多いのではないでしょうか。

 

                   

 

より高度に加工された食品と推測できますが、つい先日の新聞に「超加工食品取りすぎ注意」との記事が載っていました(*)ので、本報でより詳しい情報を提供します。

 

そもそも超加工食品は、ブラジル・サンパウロ大学の研究者らが考案したNOVAという食品分類法(下表)に基づいています。

 

          (*)

 

Ⅰ類が最も加工度が低い食品で、順にⅡ、Ⅲと加工度が高くなり、超加工食品はⅣ類で加工度が最も高い食品です。

つまり超加工食品は、食材に大きく手を入れて調味料や添加物を加え、味覚や手間の面で消費者が食べやすいようにしたもの、と言えます。

 

食品例を見ると、冷凍やレトルト食品をはじめ即席麺・スープは納得できるものの、炭酸飲料やスナック菓子、大量生産されたパン類やハンバーガーも入ります。しかし作りたてのパンはⅢ類なのです。他にもアイスクリーム等矛盾する例があるとして、このNOVA分類に疑問を呈する専門家もいます。

 

要するにこの分類は、「手作りが良くて、加工食品はダメ」と、俯瞰的に捉えれば良いのかもしれません。

その証拠として、超加工食品の摂取量が多いほど様々なリスクが高くなる(例えば、早期死亡・肥満の他、大腸がん・糖尿病・高血圧の疾病など)との、調査結果が相次いで報告されています。

但しこれらの報告から、超加工食品と各種リスクとの間に関連性はあっても因果関係があるとまでは言えない、とする専門家が多いのです。

 

結論として、超加工食品の摂りすぎが健康に良くないことは確かです。逆に、超加工食品を過度に避けることによって、別の偏った食生活になることも懸念されますので、控えめを念頭に利用しても差し支えないでしょう。

 

そして今一度、食生活改善普及運動(厚労省)でも言われている食生活の基本に立ち返るべきです。

 ・バランスの良い食事・野菜と果物たっぷり・塩分少なく

さらに加えて最も大切なことは、「食事を美味しく」でしょうね。

 

((*)京都新聞(2022.9.26)より一部引用しました。また本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)