Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

2022-01-01から1年間の記事一覧

若返りの鍵は「オートファジー」(その1:機能と維持する食事対策)

加齢と共に老化が進むのは避けられない、と思っている人が多いのではないでしょうか。しかし実は、「オートファジー」という細胞の若返り機能がヒトには備わっているのです。 2016年に、大隅良典東京工業大学栄誉教授がノーベル賞を受賞したことで脚光を浴び…

これからが旬の「さくらんぼ」、アメリカンチェリーとの違いは?

そろそろ苺が終盤を迎える今日この頃ですが、梅雨の時期が旬の「さくらんぼ」が「アメリカンチェリー」と共に店頭を賑わすようになりました。 そこで本報では、さくらんぼやチェリーにまつわる話を展開しようと思います。 そもそも「さくらんぼ」は桜ん坊(桜…

アルファ米の続き、米やデンプンのことをもう少し!

前報(アルファ米とは?、デンプン変化との関わり)で伝えきれなかった、米の品種やご飯とデンプンのことを、もう少し本報で言及しようと思います。 (zkai.co.jpより引用) 前報で、 1) 米の主成分でエネルギー源になるデンプンは、アミロース(AL)とアミロペク…

需要拡大のアルファ米とは?、デンプン変化との関わり

先日の新聞(*)に「アルファ米 需要拡大」との見だしで、以前の防災備蓄用から、最近は登山やスポーツ・海外旅行用にと需要が拡大している、との記事が掲載されました。 「アルファ米」って何?、と思われた方も多いのではないでしょうか。もちろん、その記事…

ゴールデンウィークで休稿します、良ければ検索を!

ゴールデンウィークも残り土日を残すだけになりました。 毎週ほぼ金曜日に投稿していますが、新たな原稿を整える時間がなくなり、やむを得ず休稿します。 せっかく、今週のテーマは何だろう、とアクセスして頂いた方には申し訳ありません。 もし少しでも時間…

ポジティブフードとして注目の「キウイフルーツ」、緑と黄の違いは?

今が出盛りのゴールドキウイが店頭を賑わせています。 キウイフルーツに関しては、当該ブログでも「手頃で栄養価の高い果物」として2度配信済み(2019.7.30&2020.7.3)です。 先ずは後者のものを検索して、内容を確認してください。 今回、キウイフルーツがポ…

抗老化効果で熱視線のNMN、サプリで摂るべき?

最新の情報誌(*)で、「NMNの抗老化効果に富裕層ら熱視線 サプリも続々登場」との記事が掲載されました。 得体の知れない横文字の成分ですが、それに抗老化(アンチエイジング)効果があって、かつそれがサプリで可能(?)となれば、惹かれる方も多いのではない…

新食材として話題の植物ミルク、豆乳以外に何?

ミルクと言えば「牛乳」、植物性のミルクと言えば大豆由来の「豆乳」が、誰でも浮かぶはずです。しかし今、新食材として話題の植物ミルクとは、一般に定着している豆乳以外を指すようです。 そこで本報では、そんな今話題の植物ミルクについての情報提供をし…

新食材が注目、去年からブームの先輩は「オートミール」!

先日、朝の情報番組(NHKあさイチ)で、「続々登場!新食材 結局どうなの?」というテーマが放映されました。 その中で、今年ブレイクするといわれる「豆腐干」、去年からブームの「オートミール」、話題の「植物ミルク」と紹介されました。 豆腐干や植物ミル…

健康寿命を延ばす食品、そのトップは「ナッツ類」!

日本の平均寿命が世界一になったのは1978年で、以来トップの座を守り続けていますし、健康寿命も男女平均で最も長いのは日本とのことです(2021年版世界保健統計)。 実際の数値(平均寿命-健康寿命)を挙げると次のようです。 ・男性:81.64-72.68= 8.96 ・…

タンパク源に豆腐、それも高タンパクの「豆腐バー」が注目!

三大栄養素の一つタンパク質の重要性に関しては、当該ブログでも数多く配信しています(2020.5.1~)。 主な植物性のタンパク源としては大豆があり、その加工品の一つが「豆腐」(2021.6.25配信)ですが、本報では、高タンパクの豆腐に絞って情報提供します。 ま…

カカオ豆の健康飲み物としての「ココア」と「チョコドリンク」

チョコレートとココアに関しては当該ブログで約1年前に配信しました(2021.2.19 & 26)が、本報では、更新リブログしながら、カカオ豆の飲み物としての視点で紹介します。 ココアは飲むもので、チョコレートは食べるものとの認識が一般的ですが、そもそもはカ…

甘酒ブームに続く「酒粕」、その知られざる魅力とは?

「甘酒」に関しては当該ブログで配信済み(2019.10.3~)で、その中に酒粕甘酒のことも少し紹介しましたが、麹甘酒推しでした。 本報では改めて、「酒粕」には甘酒の原料になる以外にも多くの魅力があることの情報提供をします。 そもそも酒粕とは日本酒の残り…

「大根」は冬が旬も多様化、葉を含めた部位別の活用を!

冬が旬(12~2月頃)といわれている「大根」ですが、最近では春や夏の収穫される物もあり多様化しています。 そこで冬物から春物に替わるこの時期に、大根(最もメジャーな青首大根)の季節による違いや葉を含めた部位別の違いを明らかにすることで、より有効な…

コロナ禍でもブームが続く「豆乳」の魅力とは?(その2:牛乳との比較)

そもそも大豆の絞り汁が乳ではないのに、なぜ「豆乳」になったのでしょうか。 豆乳は紀元前から中国で作られていて、豆漿(とうじゃん:漿は汁や飲み物の意味)と謂われていたようですが、色が牛乳に似ていたことや母乳・牛乳の代用品であったので、豆汁ではな…

コロナ禍でもブームが続く「豆乳」の魅力とは?(その1:3度のブームの背景)

大豆の絞り汁である「豆乳」は、2020年に生産量が過去最高(43.1万kL)になり、10年連続で記録更新して約2倍増の結果でした(下図)。 (*) 昨年は漸減しました(42.4万kL)が、コロナ禍でも堅調を維持できていてブームが継続しているという趨勢でしょう。 まず、豆…

バレンタインデーに「チョコレート」、その発祥と健康効果は?

バレンタインの起源は、ローマ帝政時代にキリスト教司祭であった聖人ヴァレンティヌスの名に由来しています。 ヴァレンティヌスは、当時の皇帝の意に背いて若者の愛を後押ししたために、処刑されてしまいます。その殉教の日が2月14日であったとのことです。 …

発酵茶の「紅茶」、最新研究で判ったコロナウイルスの不活化効果

「お茶」に関しては当該ブログでも、麦茶(2020.5.29)、抹茶(2021.9.17)をはじめ、つい最近も茶類、ほうじ茶と連載してきました。 そして、お茶の次報(本報ですが)は「紅茶」と決めていました。 それは1年少し前ですが「お茶(特に紅茶)でコロナウイルス無害…

ブームが続く「ほうじ茶」は緑茶の仲間、その効能は?

当該ブログの前報(2022.1.21)で、茶の種類は同じ生葉で発酵が異なることを紹介しました。その中で、緑茶の仲間として煎茶・玉露・抹茶は出てきましたが、ほうじ茶には言及しませんでした。 そこで本報では、ブームが続いている「ほうじ茶」について、改めて紹…

緑茶、紅茶、ウーロン茶は、同じ茶葉なのに何が違う?

俗に「お茶」と呼ばれる飲み物は、同じツバキ科の茶の木(カメリア・シネンシス)の生葉を原料に加工して作られています。緑茶、紅茶、ウーロン茶にプアール茶もそうです(もちろん、麦茶など例外はありますが・・・)。 ではなぜ色や香り、味などが違うのかというと…

サーチュイン遺伝子を活性化してアンチエイジングするには?

いきなり「サーチュイン」という横文字を示されても、初耳の方が多いと思いますが、その働きから長寿遺伝子とも謂われています。 つまり抗老化(アンチエイジング)や延命に関わる遺伝子なのですが、普段は眠っている状態にあり働いていないのです。 (first-ge…

タンパク源だけでない「卵」の優れた栄養とコレステロールは?

我々の体でタンパク質は、水分を除くと約16%で最も多く、筋肉に至っては80%を占める重要な成分です。 1日に推奨されているタンパク摂取量は、成人男性で60~65g、同女性で50gです(日本人の食事摂取基準2020年版)。 卵(鶏卵)にすると8~10個分との表現も…