Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

タピオカとは? そのドリンクは体に悪い?

今まさにブームの飲み物に、「タピオカドリンク」があります。人気店では行列が絶えず、透明なプラカップを飲みながら持ち歩く若い女子が風物にもなっています。

独特のモチモチ感にハマるようですが、一方で、「摂り過ぎると体に悪い」という指摘も目にしますので、タピオカとは?から摂り方の注意点までを整理してみようと思います。 

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タピオカとはキャッサバ(芋の一種)の根茎から分離・精製されたデンプンのことです。原料のキャッサバは有毒成分を含みますが、日本では有毒成分を除去した加工品しか手に入らないので、市販のタピオカに毒が含まれていることはありません。

丸い粒状なのは、デンプン(澱粉)に水を混ぜて加熱し糊状になったものを、容器に入れて回転させることにより、遠心力で丸く成形されている(タピオカパールと呼称)からです。また、タピオカと言えば黒い球のイメージがありますが、本来は白で、カラメル色素などで黒く着色しているのです。従って色素を変えれば、カラフルなタピオカを作ることも容易で販売もされています。

 

タピオカの栄養面に関しては、正に「デンプン(炭水化物)の塊」と言えます。脂質や食物繊維、カリウム等のミネラルも微量含まれてはいますが、取るに足らない量です。タンパク質もほぼないのでアレルギーの心配はありません。但しデンプンは多糖類でエネルギーになりますので、塊だから高カロリーとの指摘もあります。その辺りを実際に検証してみます。

タピオカパール100gのカロリーは、乾燥品で355kcal、ゆでで62kcalです。実際に使われているのは「ゆで」なので、ドリンクに入っているタピオカ(多くても30g)は20kcal程度です。

問題はミルクティなどの甘いドリンクです。市販のタピオカドリンクの表示には、ほぼ内容量250gで150kcalとあるので、ご飯軽く一杯程度のカロリーに匹敵します。更にプリンやアイス等をトッピングすると、一杯摂るだけで一食分程度のカロリー(約500kcal)になりますので、注意が必要です。

 

タピオカパールの生や乾燥品 (100円ショップでも) が数多く市販されており、後者は家庭で簡単にゆで戻して使えます。人気店やコンビニに頼らず、自分好みのドリンクや料理(グルテンフリーの代用にもなる)にもアレンジして、楽しんでみてはいかがでしょうか。

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)