Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

香辛料(薬味)は、特に夏場に重宝する調味料(その2:効能と具体的な利用法)

前報では香辛料(薬味)の定義と種類を紹介しましたが、本報では、暑気払いに繋がる効能や食事に利用できる具体例に言及します。

                                 

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香辛料(薬味)の主な効能を、先ず夏場に重宝する理由としてまとめると、次のようになります。

 ・香りと彩りで食欲増進(消化促進も)→ クミン、コリアンダー、シナモン、カルダモン等

 ・血行や発汗を促し、冷えた体を温める → 唐辛子、生姜、胡椒、山椒、

 ・食べ物の臭みを抑え、腐敗や食あたりも防ぐ → ウコン、シソ(大葉)、クローブ、タイム等

この他にも季節に関係なく発揮される効能があります。

 ・抗酸化作用で老化防止 → 山椒、オレガノクローブローズマリーガラムマサラ

 ・薄味を補い減塩に繋がる → 香りや辛味が強いもの全般

また近年の研究から、「唐辛子が心臓病や心臓発作(ヒト)の死亡率を17%低下させた」や「ウコンのクルクミンという成分が大腸がん(マウス)を抑制した」という報告もあります。

 

次に実際の食事に利用できる具体例を示します。

先ず夏の料理の定番と言えるのが、「カレー」ではないでしょうか。スパイスたっぷりの辛いカレーは、暑気払いにはピッタリです。辛味成分としては、唐辛子のカプサイシン、生姜のジンゲロール(生)とショウガオール(加熱)がよく知られています。辛味は血行が良くなって体温が上がり、発汗を促す作用があります。汗は体の熱を皮膚から逃がすために、結果的に暑さしのぎになるのです。

和食には、生姜・シソ・ミョウガからなる「3色薬味」(冷蔵庫での作り置きが可)が重宝します。

スパイスに不慣れな人には「ガラムマサラ」がお勧めです。各種のスパイスをミックスしたもので、マイルドで使いやすく、混合物の相互作用で薬効もより高まります。

 

このように香辛料(薬味)は、暑気払いに留まらず健康効果を高めることも期待できますので、積極的に食生活に採り入れるようにしましょう。特に夏場には意識して摂りたいですが、過剰な摂取は胃を痛めることにも繋がりますので、心しておく必要があります。

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)