「アイスクリーム」は、乳成分差で4種類あって複雑!
近年は夏場だけでなく、一年中食されている冷菓に「アイスクリーム」があります。人気を裏付けるように、高級なアイスから氷菓子まで多彩な製品が市販されていますが、その中で、正式にアイスクリームと言える(アイスクリームと表示されている)のは、ごく一部であることを、ご存知でしたか?
一口にアイスクリームと言っても、実は「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(乳等省令)に基づく乳成分の含有量によって、「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」の3種類に分けられ、これら以外のものが「氷菓」になります。
乳等省令によるアイスクリーム類の成分規格は、次の表に示す通りです。
区 分 |
表示名称 |
乳固形分*1 |
内、乳脂肪分*2 |
アイスクリーム類 |
アイスクリーム |
15.0%以上 |
8.0%以上 |
アイスミルク |
10.0%以上 |
3.0%以上 |
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ラクトアイス |
3.0%以上 |
- |
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一般食品 |
上記以外 |
*1乳固形分:乳製品に含まれる水分以外の成分
*2乳脂肪分:乳固形分の内の脂肪分
つまりアイスクリーム類では、乳成分の多い順に、アイスクリーム → アイスミルク → ラクトアイス、という順になります。ではカロリーもこの順で高いのかというと、実は一般的にはラクトアイスが最も高く、アイスミルクが低いのです。
ラクトアイスには乳脂肪分が少ない分、風味を出すべく植物油脂(パーム油など)を添加しており、甘味料(砂糖、異性化糖など)も加えられているためです。ちなみに、ある市販品の栄養成分表示(1個200mL当たり)は、エネルギー 374kcal、脂質 23.4g、炭水化物 35.3gとありました。やはり脂質の多さが目に付き、1個食べただけで子供(10歳未満)の脂質摂取目標量/日の約半分に匹敵します。
暑さしのぎには食べたい冷菓子ですが、氷菓のアイスキャンディ(砂糖の塊?)からアイスクリーム類まで、様々な製品が並んでいます。見た目に惑わされず、表示を確認した上で選ぶようにしましょう。
(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)