青魚の健康パワー(その1:定義・種類、栄養とその効果)
青魚とは、一般的に「背が青い赤身の魚」の特に安価な大衆魚を指します。見た目や肉質の特徴からの総称で「光りもの」とも呼ばれますが、魚類の分類学では使われない言葉です。
具体的には、サバ、アジ、イワシ、サンマが有名ですが、ブリ、ニシン、サワラ、タチウオ、トビウオも入ります。主に海の回遊魚で、常に泳ぎ続けるには大量の酸素が必要になるので、ヘモグロビンやミオグロビンという赤いタンパク質を多く持っており、身が赤くなるのです。
カツオとマグロも青魚ですが、高級魚で大衆魚ではないという理由で青魚には入れないこともあるようです。ちなみに赤身のサケは白身魚に入り、赤く見えるのは餌のオキアミに含まれるアスタキサンチンという赤い色素によるものです。
先ずは青魚の栄養成分を一覧し、その健康効果(→)を紹介します。
・タンパク質は良質で20%(20g/100g)前後を含む
→ 主菜としての役割
・一番の特徴は脂質です。肉類の脂質とは異なり不飽和脂肪酸が多く、中でもDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)のオメガ(ω)3脂肪酸を含むことが特筆されます。
→ 中性脂肪や悪玉コレステロールの減少、血液サラサラ、脳や神経組織の機能補助(DHA)
・ビタミンではA、B1、B2、Dなどが多く、ミネラルではカルシウムと鉄(ヘム鉄)が豊富です。
→ エネルギー代謝に不可欠(B1,B2)、骨粗鬆症の予防(D,カルシウム)、貧血の予防(鉄)
・その他、タウリンというアミノ酸の一種が血合肉に多いのも特徴的です。
→ 肝臓の機能補助、高血圧の予防、疲れ目の解消
ただ注意しないといけないのは、アレルギー症状です。俗に「サバアレルギー」と言われますが、じんましん、下痢や吐き気、果ては呼吸困難まで症状は様々です。また、アレルギーと混同されやすい症状が出る「ヒスタミン食中毒」もありますので、気をつけてください。
(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)
次報のその2では調理法や缶詰の利用など、青魚の上手な摂り方を紹介します。