手軽な高栄養食品「チーズ」にブームの兆し(その1:定義・種類・栄養)
食品の「チーズ」を知らない人はいないはずで、多様な製品も市販されています。しかし、何となく苦手で敬遠しがちではないでしょうか。実は手軽な高栄養食品で、その健康効果も高いのです。
本報では、改めてチーズの基礎知識(その1)から健康効果(その2)までを紹介します。
チーズを簡単に定義すると「乳のタンパク質を凝固させてできた乳製品」ということになります。一般的な原料は「牛乳」ですが、羊や山羊の乳もあり、バターミルクやクリームなどでも良いのです(乳等省令第2条第17項)。凝固させるには「レンネット」という酵素を使います。こうしてできた凝乳(カード)から乳清(ホエー)という水分を抜いた物を「フレッシュチーズ」と呼びます。
チーズは「発酵していて臭い物」というイメージが強いですが、その種類を整理してみます。
先ず、ナチュラルチーズとプロセスチーズに大別されます。前者はフレッシュチーズを含む乳酸菌やカビなどで発酵(・熟成)させた物で、風味(独特の匂いや味)は菌による発酵と共に変化し続けています。後者は前者に乳化剤を加えて溶かし成形した物で、風味は賞味期限内であれば同じ状態を保っています。ナチュラルチーズは更に、フレッシュ・白&青カビ・ウォッシュ・シェープル・(セミ)ハード等のタイプに分かれます。より詳しい分類による各チーズの特徴は別の情報を参照してください。
次にチーズの栄養ですが、概ね牛乳の栄養が約10倍に濃縮された高栄養食品と言えます(次表)。
牛乳/チーズ |
エネルギー |
水分 |
タンパク質 |
脂質 |
炭水化物 |
(kcal) |
(g) |
(g) |
(g) |
(g) |
|
普通牛乳 |
67 |
87.4 |
3.3 |
3.8 |
4.8 |
カマンベール |
310 |
51.8 |
19.1 |
24.7 |
0.9 |
カッテージ |
105 |
79.0 |
13.3 |
4.5 |
1.9 |
プロセス |
339 |
45.0 |
22.7 |
26.0 |
1.3 |
牛乳/チーズ |
V.A |
V.B2 |
Ca |
食塩 |
(mg) |
(mg) |
(mg) |
(g) |
|
普通牛乳 |
39 |
0.15 |
110 |
0.1 |
カマンベール |
250 |
0.48 |
460 |
2.0 |
カッテージ |
38 |
0.15 |
55 |
1.0 |
プロセス |
280 |
0.38 |
630 |
2.8 |
カマンベール(大半のナチュラル類も)とプロセスに、タンパク質・脂質・ビタミンA・カルシウムの豊富さが目立ちます。カッテージは、家庭で牛乳から簡単に作れる低脂肪のフレッシュチーズです。
(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)