健康的な糖質摂取は?(その3:血糖値を上げない工夫)
血糖値とは血中に含まれるブドウ糖の濃度を指しますが、空腹中の正常範囲は70~110 mg/dLとされています。毎食後は当然の如く上昇しますし、途中でも糖分を飲食すれば上がりますが、その時の飲食量・食べる順番や食べ合わせによって、血糖値は変わってくるのです(後半で紹介します)。
最近、食後に異常な高血糖値(140mg/dL以上、いわゆる「血糖値(グルコース)スパイク」) を示す人が増えていると話題です。この血糖値スパイクで血糖値の乱高下が引き起こされると、動脈硬化が進行し、やがて突然死やがん・認知症までを招く深刻な事態に陥ります。
普段血糖値の調節はホルモンが担っています。つまり、血糖値が上がるとインスリンが分泌され、糖の細胞への取り込みを促して血中の糖量を正常レベルに戻します(この異常が糖尿病)。逆に高血糖の反動や糖質制限で低血糖になると、グルカゴンやアドレナリンが分泌されて適正化されます。しかし加齢・体質や生活習慣の乱れ等で、これらホルモンによる血糖値の調節が鈍化してしまうのも事実です。
そこで最後に、血糖値スパイクを避ける血糖値の上下動が少ない対策法に言及します。
先ずは1)摂取する糖質の量と質を意識することです。主食であるご飯やパン・麺の量はもちろん、質としてGI(グリセミック・インデックス)値を参考に高GI食品(GI値70以上)は控えるべきでしょう(精白してない米やパン、ジュースよりも丸ごとが低GI)。2)朝食も含め3食きちんと食べる。1食でも抜くと、その後の食事後に血糖値スパイクを起こしやすくなる。3)食べる順番はベジファースト(野菜が最初)でカーボラスト(糖質が最後)を心掛ける。糖質の吸収が穏やかになる。4)ゆっくり良く噛んで食べる。一口で30回は咀嚼するようにしましょう。5)食後に軽い運動をする。食休みをするのではなく、直ぐに散歩など体を活発に動かすと効果的です。いずれにしても栄養バランス上、副食のタンパク質・脂質や食物繊維はしっかり摂ることを忘れないでください。
(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)