Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

糖化と酸化の健康への悪影響の予防は?

最新の前2報で、老化の元凶が「糖化」であり、終末糖化産物(AGEs)が体内に留まるのを抑える対策法について紹介しましたが、一方、体の「酸化」がアンチエイジング(抗加齢)の敵であることは、糖化が注目される以前から周知のことでした。糖化が「焦げる」に例えられるのに対して、酸化は「錆びる」に例えられ、ともに有害作用を及ぼす元凶です。

 

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本報では、酸化とそれに伴う悪影響(酸化ストレス)について紹介し、その予防に関する情報を提供します。

 

酸化の源は酸素ですが、その酸化の過程でより酸化能力の高い「活性酸素が発生します。この活性酸素は健康にとって諸刃の剣で、有益にも働きますが、老化を始めがん・動脈硬化・糖尿病・アルツハイマー病など数多くの病気の発症や悪化の要因になることが多いのです。従って本来、後者の酸化ストレスに対する防御系(抗酸化能)が備わっていて、活性酸素を消去するのですが、加齢や偏った食事・喫煙等の不健康な生活習慣によって、その働きが衰えていきます。

 

そこでこの抗酸化能を、食品に含まれている成分を摂取することで補える「抗酸化食品」が注目を浴びることになりました。そのきっかけになったと言えるのが「フレンチパラドックス」で、世界有数の動物性脂肪の消費国であるフランスには心筋梗塞になる人が少ない、という逆説が、多飲する赤ワイン(ブドウの皮に抗酸化成分であるポリフェノールが多い)の予防効果に因る、とされた話題です。日本で言えば、ポリフェノールの一種であるカテキンの多い緑茶が相当し、製品化が進みました。なお、抗酸化食品の詳細や具体例については、当該ブログの「機能が注目の抗酸化食品(その1~2)」を参照してください。

 

いずれにしても糖化と酸化は関連があり、両者が相まってストレスがより高まると、老化や発症の危険度も数倍増すことになりますので、注力が必要です。

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)