コーヒーは健康に良い?悪い?(その2:有効成分と飲む限度)
コーヒーに含まれている2大成分と言えば、「カフェインとポリフェノール」です。どちらにも共通して抗炎症や抗酸化という良い作用があります。
しかしカフェインは諸刃の剣で、よく知られている覚醒作用の延長上に集中力向上や疲労感緩和がありますが、途切れるとその反動が出ます。従ってカフェインの摂り過ぎや中毒にも注意が必要で、1日摂取量の上限は健康な成人で400mgと言われています。コーヒー100mLには約60mg含まれていますので、1日3~4杯が限度ということになります。前報での疫学調査の結果では、多く飲むほど効果的という印象を受けますが、最新の国立がん研究センターのコーヒー摂取と全死亡リスクとの関連やイギリスの医学誌でも過去約200の研究結果を分析したところ、コーヒーを1日3~4杯飲む人の死亡や発症リスクが最も低くかった、とのことです。
一方のポリフェノールは、植物が紫外線の酸化ダメージから身を守るために作った成分なので、抗酸化作用が特徴です。コーヒー豆にはクロロゲン酸が含まれており、その働きによって体に良い各種の効果(血液サラサラや血圧・血糖値の低下等を通した各種発症リスク低減)をもたらしていると言えます。
コーヒーは生豆を焙煎して飲みますが、その焙煎度によって成分量に変化が生じます。カフェインはほぼ変化なしですが、クロロゲン酸は深く煎るにつれて減少し、代わりにニコチン酸やNMP(抗血栓やリラックス効果あり)が増えてきます。TPOに応じて、浅煎り、深煎り、あるいは深浅混ぜ(中煎り)を飲み分けるのもいいのではないでしょうか。但し市販のコーヒー飲料には大量の糖分が入っている製品もありますので、気を付けてください。カフェインが気になる人には、デカフェ(カフェインを除いたコーヒー)もお薦めです。またコーヒーが苦手な人は無理に飲まなくても、緑茶で同様の効果が確認されています。
(この情報の一部は、日経Goodayや岡希太郎博士のWEB記事を参考にしました。また、本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)