体に必須の栄養素「タンパク質」の重要性とは?(その2:摂取の考え方)
前報で体のタンパク質は作られては壊されていて、常に日々新しいタンパク質を作る必要があること、そのためには体内で材料であるアミノ酸、特に必須アミノ酸が不足しないようにすること、を明らかにしました。
では毎日の食事のタンパク質摂取において、何をどう気をつければ良いのでしょうか?
まず量的な面では、毎食「主菜(おかずでタンパク質が主体)」を意識して摂ることです。肉(牛・豚・鶏など)や魚、それらの加工品が直ぐ浮かびますが、卵や大豆製品(納豆など)、乳製品(チーズなど)もそうです。特に朝食や昼食を簡単に済ますことの多い方は、ほぼ主食だけで主菜が疎かになっていると思いますので、気をつけてください。
さて問題は質の方で、量が満たされれば良いとは言えないのです。つまり、タンパク質摂取の目的は、体内でのタンパク質合成がスムースに行われるように、その材料である20種類のアミノ酸を揃えて蓄えることです。特に体内で作られない必須アミノ酸が不足しないように意識しないといけません。
その指標となるのが、各タンパク質のアミノ酸スコアでしたね。その値が100であれば9種類の必須アミノ酸が全て充分に揃っている(良質のタンパク質)ので問題はないのですが、中には100に満たない、下手をすると50を切るタンパク質もあります。
例えば主食になる米は65で小麦に至っては40です。共に第一制限アミノ酸がリジンなので、その含有率の値がそれぞれのアミノ酸スコアになっています。しかし、いずれのタンパク質もリジン以外の8種類は極端に低くはないので、リジンの多いタンパク質(肉・魚・大豆)を同時に摂取すれば大丈夫です。
要はアミノ酸スコアの低いタンパク質でも、その第一や第二制限アミノ酸が何であるかを知り、それを補う工夫をすれば良いわけです。結局、食事の基本である主食とバラエティーに富んだ主菜をしっかり組み合わせる(副菜も添えて)ことに尽きます。
次の最終報では、より具体的なタンパク質の上手な摂り方を紹介します。