大豆は昔から和食の食材として、日本人の重要なタンパク源(畑の肉)としての位置を占めてきました。そのまま煮豆や総菜として使われる他、豆乳にして豆腐・油揚げ・おから、発酵させて納豆・味噌・醤油など、多彩な加工食品としても重宝されています。
さて、大豆ミート(大豆肉、ソイミートとも言う)ですが、今から50年ほど前に、ヴィーガン(完全菜食主義者)のために開発されました。大豆からタンパク質を取りだし、繊維状にしたものです。その後、近年になって加工技術が進み、形状とともに肉のような食感や食べ応えが得られるようになり、一般にも普及してきました。
大豆ミートの栄養・健康的な特徴です(数字は湯戻し後100g当たり)。
・高タンパク:タンパク含量は17~20gで、畜肉と比べても遜色なく良質
・低カロリー&低脂肪:カロリーは100~150kcal(畜肉の約1/4)で、脂肪は1g以下
・ノンコレステロール:植物性なのでゼロ、サポニンが体内コレステロールの排出作用も示す
・豊富な食物繊維:畜肉には含まれないが、約5gと豊富
・ミネラルとビタミンも豊富:カルシウムや鉄、ビタミンB1・B2・E・Kが豊富
・イソフラボン含有:約50mg含まれ、女性ホルモン様作用や抗酸化作用で健康効果が高い
大豆ミートには、ミンチ、ブロック、フィレ(薄切り)の3種類の形状がありますので、料理によって使い分ける必要があります(レシピを参照)。さらにそれぞれにタイプとして、乾燥、レトルト、冷凍の3種類があります。これまでは乾燥タイプが主流で湯戻しの手間がありましたが、近年、使い勝手を向上させた後者2タイプの需要が増えているようです。
新たな代用肉としては、家畜の細胞を培養して作る培養肉(人工肉)も注目されていますが、受け入れには躊躇が見られ、一般的な普及はまだ先でしょう。
その点、健康的で栄養価の高い大豆ミートは、手ごろな価格で保存も利きます。先ずは、ハンバーグや酢豚等の具材に使ってみて、積極的に食卓に上げてはどうでしょうか。
(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)