認知症に有効とされる「マインド食」とは?
マインド(MIND)食とは、地中海食(穀物や乳製品、オリーブオイル、野菜・果物が中心で心疾患予防に有効)とダッシュ(DUSH)食(塩分と炭水化物を控えて塩分排出作用のあるミネラルと食物繊維を摂ることで高血圧予防に有効)を組み合わせた食事法のことを言います。
2015年に認知症の国際誌に、MIND食を実践することでアルツハイマー病のリスクが大幅に減少した、とのアメリカからの報告が載り注目されましたので、改めて紹介します。
MIND食は、次の図に示す「推奨される10食材」と「避けるべき5食材」から成っています。
この15食材の内、平均5.6食材しか実行していない群に比べて、平均9.6食材を実行(厳密に実行)した群は53%、平均7.5食材(ゆるやかに実行)の群でも35%、それぞれ発症率が低かったことが確認されました。
その中身を具体的に説明します。
飽和脂肪酸(赤身の肉やバター、チーズ等の動物性脂肪)や甘い物を控え、オメガ3等の不飽和脂肪酸(ナッツ類オやオリーブオイル、魚)、ポリフェノール等の抗酸化物質(ベリー類やワイン)カロテノイドや食物繊維(緑黄色野菜等)を推奨する食事法ということです。
特に、油はオリーブオイルを優先的に使い、ベリー類を摂ることを意識しましょう。
避けるべき食材の具体的な目標頻度は、次のようになっています。
・赤身の肉 → 週4回以下 ・バター → なるべく少なく ・チーズ → 週1回以下
・お菓子 → 週5回以下 ・ファストフード → 週1回以下
更に日本人としてもう一つ付け加えるならば、塩です。1日6g未満の減塩がベターでしょう。
こう見てくると、マインド食は認知症予防食の域を超える「健康食」と位置づけて良いはずです。
マインド食の実践に際して、15食材の内10食材を守ること(上記データの厳密に実行に当たる)は、日本人の一般的な食事に照らし合わせても実行可能でしょうし、7,8食材のゆるやかな実行から始めてもいいのです。なお、充分な睡眠と適度な運動も忘れないようにしてください。
(この情報の一部と図は、日経Gooday編集部:認知症と食事―認知症リスクを下げる食事のポイント―(日経Gooday,2020.1.6)から引用しました。また、本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)