Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字以内にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

ゲノム編集で作られる食品(その2:具体的な取り組みとその表示)

前報で、ゲノム編集による品種改良の方法について紹介しましたが、本報では具体的な取り組みとその表示について言及します。

 

まず、主なゲノム編集食品の取り組みを図で一覧します。

今年のノーベル賞を受賞した「クリスパー・キャス9」という新手法が8年前に報告されて以来、開発は急速に進んでいるようです。

 

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                    (NHKクローズアップ現代」(2019.9.24)より引用)

 

これらのゲノム編集食品は、本来の内在遺伝子の切り取りや無効化で機能を停止する編集(前報での(a))に入る物になります。

例えば、マダイは、ミスタチオンという筋肉増加のブレーキ役の物質の遺伝子機能を欠損させているし、イネも籾の数や米粒の大きさに関係する遺伝子を書き換える改変なので、機能停止には当たらないが、(a)の範疇です。

 

これら(a)の範疇に入るゲノム編集食品は、自然に起こる突然変異を意図的に行っているだけなので、通常の品種改良と同程度のリスクであるとして、届け出の義務はなく(厚労省)、表示も課されません(消費者庁)。但し、厚労省は食品安全の情報を含めた届け出を推奨して受け付けを開始(昨年10月から)し、消費者には開示する方針です。

 

ただ、遺伝子改変の際に、誤った遺伝子の切断(オフターゲット)や対象外の遺伝子の変異などの可能性も指摘されており、消費者が選択できるような表示の義務づけを主張する声も根強い。

 

いずれにしても、今後の食糧難を念頭に置けば、天然の昆虫食も含めた新たな食糧(遺伝子組み換えやゲノム編集などによる)に頼らざるを得ない状況が来ることは確かであると思われます。

 

その時までに、一般消費者の不安が解消されていれば良いのですが・・・?

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)