フレイル予防には、まず食事で充分な「タンパク質」を!
フレイルという言葉をご存知ですか?フレイルは、2014年に日本老年医学会が提唱した概念で、「Frailty(虚弱)」の日本語訳です。フレイルの前段階はプレフレイル(前虚弱)です。
要するに身体機能や認知機能が低下する状態で、健康と要介護の中間に位置しており、適切な治療や予防をすることで、要介護への進行を抑えることが出来ると言われています。
(東京都医師会HPより引用)
フレイルは筋力低下などの身体的要素の他に、精神的・心理的要素や社会的要素もありますが、中でも身体的要素の足腰の衰えを防ぐことが重要です。つまり、低栄養状態が続くことに因る体重減少から筋力が低下することを改善しなければなりません。
当然ながら主な対象は高齢者になりますが、昨今のコロナ禍においては、高齢者以外にも広がり兼ねません。
栄養を充足させるためには、タンパク質をはじめとする五大栄養素を食事摂取基準(2020年版)にしたがって、食事から摂取することが基本になります。
その際、筋肉を作る成分のタンパク質が不足しないように気をつけることがポイントです。
では具体的に、タンパク質はどの位をどんな食材から摂取すれば良いのでしょうか。
先ず1日の摂取量ですが、標準的(体格と活動量)な人の男性で60g、女性で50gです。特にフレイル予防を念頭に置くと、それぞれもう少し多い摂取を心掛けるべきです。朝・昼・夕の三食で、それぞれ20g程度(以上)が目標になります。
次にタンパク食材ですが、いわゆる主食に対する主菜(おかず)に当たり、肉・魚・卵や大豆製品・乳製品に多く含まれています。
主な食材のタンパク質含有量を挙げます。
・牛・豚・鶏肉:60g→12g ・白身や青魚:60g→12g
・卵1個→6g ・納豆40g→6g ・牛乳200mL→6g
・米飯100g→2.5g ・食パン1枚→6g
筋肉をはじめとするタンパク質は日々壊されては作られているので、毎日充分に摂る必要があります。
フレイル予防のためには食事に気をつけるだけではなく、適度な運動、社会参加も重要な要因です。ストップフレイルで健康寿命を延ばしましょう。
(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)