コロナ感染で味覚障害が現れる今、味覚を再認識しよう!
そもそも味覚としての基本の味は5つあり、甘味・酸味・塩味・苦味・旨(うま)味です。この5味の他に、辛味や渋味などが補助味として知られています。
基本の5味は、味蕾という味細胞が感じ取って神経細胞を介して脳で判断しますが、補助味は味蕾を通さずに化学的あるいは物理的刺激に依って得られ、双方が相まって食べ物の美味しさを担っているのです。
ヒトに5味が備わっている理由は2つに分けられます。
一つは必要な栄養を摂取するためであり、もう一つは危険な食べ物を避けるためです。
前者は甘味(エネルギー源の糖質摂取)・塩味(ナトリウムなどミネラル摂取)・旨味(体を作るタンパク質摂取)で、後者が酸味(腐敗した食べ物回避)・苦味(有毒成分を含む食べ物回避)です。
また味覚物質が混ざり合って相互作用することで、特別な効果も生まれます。
・相乗効果:同じ呈味成分が混ざって相互に味を強め合う(昆布とカツオ節の合わせ出汁)
・対比効果:異なる味覚が合わさって一方の味覚が強まる(スイカに少し塩で甘味増)
・抑制効果:異なる味覚が合わさって一方の味覚が弱まる(コーヒーに砂糖で苦味減)
このように味覚は複雑で奥が深く、正常に作用していてその自覚があれば良いのですが、普段は無意識に過ごしている方が多いのではないでしょうか。
コロナ禍により自粛生活が続く中で特に気を付けるべき点は、加工食品やスナック菓子が増えることによる塩分の摂りすぎと、甘い物は別腹(苦を怪に変換?)での甘味依存です。
コロナ感染で味覚障害が現れるとのことで、味覚に意識が向くと思われる今、自分の味覚を再認識してみてください。加齢によって感度は低下しますし、栄養の偏り(特に亜鉛不足)でも障害を起こします。
味覚を研ぎ澄ますことで、栄養状態がより正常になり、かつ食事自体も楽しめるようになるのではないでしょうか。