高血圧を改善する食事に「塩出し食」の勧め
高血圧は日本人の約4300万人が患っている国民病で、動脈硬化から脳卒中や心筋梗塞などにも繫がる怖い病気でもあります。
ところで高血圧を改善するには、食事で「減塩」するのが定番ですが、薄味の味気なさは長続きしません。そこで発想を転換して、入る塩分を減らすのではなく、出すのを増やそうとする「塩出し食」の勧めを紹介します。
塩分(NaCl:塩化ナトリウム)の中で、血圧にはナトリウム(Na)の摂りすぎが良くないのです。
塩出し食とは、ナトリウムの排出に効くミネラル、特にカリウム(K)・マグネシウム(Mg)・カルシウム(Ca)を効率よく摂取して、ナトリウムを追い出すようにする食事を指します。
これら3種のミネラを多く含む食品(一食分の多い順)には、次の様なものがあります。
・K :ホウレン草、アボカド、カボチャ、バナナ、牛乳
・Mg:アーモンド(炒り、無塩)、ライ麦パン、ゴボウ(茹で)、シラス干し(半乾燥)
・Ca:干しエビ、牛乳、真アジ(皮付き、焼き)、ヨーグルト(無脂肪、無糖)
カリウムには目標量、マグネシウムとカルシウムには推奨量が設定されているのですが、いずれも摂取不足で満たない現状です。今より1,2割増しでの摂取を心掛けてください。
具体的には「DASH食」(高血圧を防ぐ食事法の略)と言われるものがあります。
その内容は、上記3種のミネラルと食物繊維さらにタンパク質をしっかり摂り、飽和脂肪酸やコレステロールを抑えるという方法です。
・増やす食品:緑黄色野菜、果物、海藻類、牛乳・乳製品、大豆製品、魚、ナッツ類
・減らす食品:脂身の多い肉類、魚卵、菓子類
但し、腎疾患などでカリウムの摂取制限のある人は注意が必要(医師に相談)ですし、高齢者はフレイル(虚弱)予防のため、赤身の肉や卵などのタンパク源を減らす意識はしないでください。
最後に確認ですが、高血圧改善のための塩出し食(DASH食)を勧めましたが、減塩をしなくても良いわけではありません。あくまでも、継続できる範囲の減塩は意識しつつ塩出し食を取り入れて、実効を上げましょうと言うことです。
他には、減酒や減量(食べ過ぎない、適度な運動)にも心掛け、併せて実行してください。
(この情報の一部は、日経Gooday:「血圧は下げたい、でも減塩は...」そんな人にお勧めの「塩出し食」とは(2021.1.12)を参考にしました。また、本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)