「ココア」は、チョコレートと何がどう違う?
前報でチョコレートを紹介しましたが、チョコレートとココアの違いに疑問を持たれた方も多いはずですので、明らかにしたいと思います。
チョコレートは食べるものでココアは飲むものである、との認識が一般的でしょうが、ホットチョコという飲み物もありますので、ココアとの違いが気になるところです。
そもそもチョコレートもココアも、カカオ豆を発酵して乾燥させ、焙煎後磨砕してペースト状にしたカカオマスを原料にしているところは同じですが、加工の段階で違いが出てきます。
・ココア:カカオマスからその脂肪分であるカカオ(ココア)バターを除いたもの → これを粉砕し粉状にしたものがココアパウダーで純ココアのこと
・チョコレート:カカオマスにさらにカカオバターを加えたもの → カカオバターに凝固作用があるため固まる
つまりカカオマスを原料に、そこからカカオバターを除くか(ココア)、さらに加えるか(チョコレート)の違いです。
では、栄養・健康成分(100g当たり)の違いを見てみます。
食品 | エネルギー | タンパク質 | 脂質 | 糖質 | ポリフェノール | テオブロミン |
(kcal) | (g) | (g) | (g) | (g) | (g) | |
純ココア | 271 | 18.5 | 21.6 | 18 | 4.1 | 1.7 |
ミルクココア | 412 | 7.4 | 6.8 | 74 | 0.9 | 0.3 |
ミルクチョコ | 558 | 6.9 | 34.1 | 30 | 0.7 | 0.2 |
純ココアは、低エネルギーで高タンパク質な上に、ポリフェノールやテオブロミンの健康成分(それぞれの効能は前報を参照)も豊富です。しかし純ココアは、そのまま湯を注いで飲んでも苦いだけなので、砂糖やミルクを自分好みで加えることになります(ホットココア)が、甘さは控えめにするのがベターでしょう。
表中のミルクココアは、市販のインスタントココアで手軽に飲めますが、糖質が多くて甘く高カロリー(2杯でご飯軽く一杯分)なので、あまり勧められません。
前報のチョコレートでも、常食するならミルクチョコよりもダークチョコを勧めましたね。
ホットチョコレートという飲み物もありますが、チョコレートを粉末状にしたものに温めた牛乳を混ぜて溶かし、好みで砂糖やシロップを加えたもので、ホットココアよりは濃厚な味わいになります。
ココアもチョコレートも、脂肪分の差はあれカカオ豆の栄養・健康成分が活かされたカカオ加工品の優れものです。
特に寒い時期にはホットな飲み物として、体だけでなく心も温まってみては如何でしょうか。
(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)