Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

筋活にタンパク質、プラス5gを勧める新情報!

当該ブログで、「フレイル(虚弱)予防にタンパク質を」と題する情報を過去2回配信(2020.10.30 & 2021.4.3)し、筋肉を作るタンパク質摂取を促しましたが、さらにここに来て、最新の研究成果の情報を得ましたので、紹介します。

 

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まずは、「タンパク質の1日総摂取量を増やせば、性別・年齢の違いや筋トレの有無にかかわらず、一定レベルまで筋肉は増加する」というものです。

普段タンパク質を少ししか摂ってなくて運動もしていない人でも、摂取量を増やすだけで筋肉が増えることを確認できたことになります。

 

さらに具体的な成果として、「体重1kg当たり0.1gタンパク質をプラスするだけで、筋肉量は2,3ヶ月で400g程増える」ということです。

以前の情報では、1日のタンパク質摂取量は体重1kg当たり1g、つまり50~60gという事でした。最新の研究では、さらに0.1gつまり5~6g摂取を増やすだけで筋肉が増えることになります。

 

ほとんどの人は少しでもタンパク質を足して筋肉を増やすべき状態にあるとのことですので、朗報と言える研究成果です。

 

そこで筋肉を増やすためのタンパク質ですが、必須アミノ酸がバランス良く含まれているタンパク食品(アミノ酸スコアがほぼ100)から摂るべきです。具体的には肉・魚・卵・乳及び乳製品、大豆製品になります。

さらに言えば、必須アミノ酸の中でも分岐鎖アミノ酸(BCAA:バリン、ロイシン、イソロイシン)は筋肉の保持や増量を担っている重要なアミノ酸です。中でもロイシンが筋肉合成のスイッチを入れる重要な役割を果たしており、就寝中には血中濃度が下がってしまいます。

 

1日のタンパク質摂取量は、朝昼夕均等に摂取した方が夕食に偏って摂るよりも筋肉の合成率が高いとの報告があり、特に+αのタンパク質を追加するなら朝食が良いことになります。

 

最後に、5~7gのタンパク質が摂れる食品とその量を例示しますので参考にしてください。

・卵 → 1個・牛乳 → 200mL・納豆 → 1パック(40g)・木綿豆腐 → 100g・ヨーグルト → 150g・プロセスチーズ → 30g・ロースハム → 30g・ウィンナー → 50g・竹輪 → 2本(60g)

 

筋活は、コロナ禍でフレイルが懸念される高齢者だけでなく多くの人にとってもままならない状況ですが、せめて食事でタンパク質を意識的に摂取して筋力の維持・増進に努めましょう。

(本情報は、日経Gooday:筋肉とたんぱく質にまつわる最新研究(上&下,2021.5.13&5.19)を引用改編しました。また本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)