Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

今こそ新型コロナなどの感染症予防に「ビタミンD」を!

ビタミンDに関しては、当該ブログでも「今こそ見直そう「ビタミンD」の効能の重要性」と題して配信しました(2021.1.15)が、新型コロナウィルス感染の収束が見通せない現状で、容易な予防対策にもなるビタミンDを、更新リブログします。

 

                                           

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そもそも必須栄養素である「ビタミンD」の役割は、主に骨や歯の発育促進ですが、近年、骨や歯との関わり以外に、免疫力向上やアレルギー症状の改善、抗がん作用、花粉症やうつ病不妊症との関連など、多彩な効能が明らかになってきています。

つい最近では、血中ビタミンD濃度が高いとCOVID-19(新型コロナ)の感染リスクや重症化率が低い、という発表がありましたし、その他、ビタミンDが風邪やインフルエンザを含めた呼吸器感染症を予防する研究結果も相次いで報告されています。

 

ところが、ビタミンD摂取の目安量は8.5μg/日(18歳以上の男女)ですが、実際の一日摂取量は7μg程(国民健康・栄養調査(2018年))で、摂取不足(特に青年層)が明らかです。

 

そこで、ビタミンDの血中濃度を上げる有効な方法について紹介します。

 

1)食品から摂取する

ビタミンDが多く含まれる食品(一食分)を挙げます。魚介類やキノコ類には多いのですが、肉類は少なく、穀類や野菜・果物類には含まれません。

  ・サケ(一切れ/80g)→25μg・イワシ(丸干し/30g)→15μg

 ・ブリ(一切/80g)→6.4μg・しらす干し(半乾燥品/10g)→6.1μg

 ・全卵(ゆで/50g)→0.9μg

 ・きくらげ(乾燥品2g)→1.7μg・干しシイタケ(6g)→0.8μg

なお食品に含まれるのはビタミンDの前駆体(プロビタミンD)で、熱に強く調理で壊れることはありません。他に皮膚にも前駆体が存在していて、いずれも肝臓と腎臓を経て活性型のビタミンDに成ります。

 

2)日光に当たる

皮膚に紫外線が当たることでビタミンD前駆体が合成されます。有効な紫外線直射日光や屋外の日陰(服やガラス越しは無効)で、夏場は10~20分(冬場には60分)程度当たると、約10μgの合成が可能です。

 

3)サプリメントで摂取する

食品から毎日一定量を摂取するのは難しいかもしれません。また、日光に当たるのは陽射しが強い夏場が効果的なのですが、コロナ禍でままなりませんし、日焼けは避けたい人も多いはずです。こんな時にはサプリメントの利用するのも良いでしょう。

1粒にビタミンD単独のサプリで25~30μgマルチビタミン類では5~5.5μgが含まれています。但し、脂溶性のビタミンなので耐容上限量(100μg/日)が設定されていて、過剰摂取のリスクに注意しないといけません。

 

要するに、血中ビタミンD濃度は30ng/mLのレベルが必要で、そのための摂取量は日光浴からを含めて約50μgになります。

 

今の時期、感染症予防など免疫機能の維持にはビタミンDの充足が重要ですので、日々の生活で不足しないように心掛けましょう。

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)