食糧危機を救うのは、コオロギなどの「昆虫食」!
無印良品がコオロギせんべいを発売したのが昨年の5月で、ネット販売のみで当日完売になり話題沸騰しました。一袋(55g)にコオロギ30匹分の乾燥粉末が練り込まれていて、味はえびせん似で美味しいとか。
一方、長野など郷土の伝統食としてイナゴの佃煮がありますが、姿煮ですので抵抗感は否めません。
この様な「昆虫食」が、今後の人口増加による食糧(特にタンパク源)危機を救うと注目されていますので、本報で、その背景や昆虫食の特徴などを紹介します。
(内山昭一 Official Website「昆虫食彩館」より引用)
そもそも昆虫食への関心は、2013年に国連食糧農業機関(FAO)が、2050年には世界の食糧生産を倍増させる必要を指摘した中で、昆虫食を解決策の一つとしたことが契機でした。
その理由は昆虫の高い飼育効率です。タンパク質1kgを生産するための餌の量は、牛が10kg、豚が5kgであるのに対して、コオロギは2kgで済みますし、体重を増やすのに必要な水の量や温室効果ガス排出量も極端に少なくて良いのです。
栄養価も優秀です。100g当たりのタンパク量は、牛や豚が20g強であるのに対して、コオロギの生も約20gと遜色なくパウダーでは60gにもなります。さらに良質な脂肪、鉄・亜鉛・マグネシウム等のミネラルも豊富です。
では現在入手可能な昆虫食ですが、販売会社別に、パウダー(粉を練り込み)タイプか姿タイプかを表示して挙げていきます。
・無印良品:コオロギせんべい(粉)
・MNH:未来コオロギスナックⅡ(粉)、スーパーコオロギおつまみ(姿)
・敷島製パン:コオロギのフィナンシェ(粉)、コオロギのバケット(粉)
・グリラス:コオロギのクッキーやクランチ(粉)
・TAKEO:タガメサイダー、昆虫ふりかけ(姿&粉)、京都・広島・群馬こおろぎ(姿)
・バグズファーム:冷凍のセミ・ハチ・カイコ成虫や幼虫(姿)、こおろぎラーメン(粉)、
蚕糞茶
こうして見ると、昆虫食と言っても先ずはコオロギが主流のようですが、今後はハエを含めた多様な昆虫に波及するのは確実でしょう。
そしてまだまだゲテモノ感で敬遠する方が多いでしょうが、近い将来、普通の食材として選択肢に入ってくるはずです。先ずは姿の見えないタイプの物から試してみることを勧めます。
(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)