Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

新たな健康トレンド「藻活」の藻類とは?

藻類と聞いて思い浮かぶのは、わかめや昆布、ひじき等でしょうか。海苔もそう(ここまで海藻類)ですし、近年クロレラは元より、スピルリナユーグレナ等(微細藻類)も出てきて、多種多彩です。

 

                                      f:id:dr-tomu:20211029173416j:plain

 

そもそも藻類は、二酸化炭素(CO2)を吸収して光合成を行う生物なので、糖類をはじめタンパク質、油、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素の他、食物繊維も含めて栄養豊富な優れた食材です。

 

そこで本報では、そんな藻類の様々な健康効果が認知される中で、はやり語で言うなら「藻活」が注目されているので紹介します。

 

まずは上記でも少し触れた栄養面ですが、海藻類と微細藻類ではその特徴が異なります(そこから繋がる効能は→以下)。

 ・海藻類:海水中のミネラルを吸収していて豊富(カルシウム・マグネシウムカリウムヨウ素等)。フコイダン(ネバネバ成分)やアルギン酸等の水溶性食物繊維も多い。

 → 生活習慣病予防、腸内環境の改善、免疫力アップ、ミネラルの補給など

 ・微細藻類:人工的に培養生産された藻体乾燥粉末が主流なので、高タンパク質(乾燥重量の40~70%)が特徴。ビタミンやミネラルも含有。海藻に比べて吸収率が高い。

 → 免疫力アップ、アンチエイジング効果、コレステロール中性脂肪の抑制、タンパク質の補給。

 

海藻類は緑藻類、褐藻類、紅藻類という3つのグループに分類されますが、色による区分けではなく、生息している海の深さに依っているのです。

 ・緑藻類(浅瀬):アオサ、アオノリ、海ぶどう、ミル(海松)など → 汁物、サラダ、キムチ、天ぷらなどに使われる料理の名脇役

    ・褐藻類(やや深い):ワカメ、昆布、ヒジキ、モズク、メカブなど → 味噌汁や酢の物に使われる日本を代表する海藻

 ・紅藻類(深海):海苔、テングサ、トサカノリ、エゴノリなど → おにぎりやトッピング、サラダに使われ、特に海苔がメイン

 

微細藻類は上記でも挙げた3種について、健康食品・サプリとしての特徴に言及します。

 ・クロレラ:タンパク質量60%でアミノ酸スコアは50、60種類以上の栄養素を含む健康食品の元祖。

 ・スピルリナ:タンパク質量65%でアミノ酸スコア50、細胞壁が薄く消化率が良い。フィコシアニン等の色素含有率が高くエイジングケアにも期待。

 ・ユーグレナ(ミドリムシ):タンパク質量50%でアミノ酸スコアは80と良質、細胞壁がないので消化率良好。パラミロンというβ-グルカン様の多糖(難溶性食物繊維)を含有し免疫力がアップ。

 

以上藻類のついて紹介してきました。

伝統的な海藻類の新たなレシピ(*)に挑戦するも良し、微細藻類の乾燥粉末やサプリを試すも良し、またSNSを賑わせている青色(藻に色素)のデザートやスムージから入るのもありなので、意識して「藻活」を始めてみてはいかがでしょうか。

((*)キナリノ 海藻で検索、また本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)