アルファ米の続き、米やデンプンのことをもう少し!
前報(アルファ米とは?、デンプン変化との関わり)で伝えきれなかった、米の品種やご飯とデンプンのことを、もう少し本報で言及しようと思います。
(zkai.co.jpより引用)
前報で、
1) 米の主成分でエネルギー源になるデンプンは、アミロース(AL)とアミロペクチン(AP)の2成分の混合物であること、
2) うるち米はAL:APがほぼ20:80、もち米はAP100で、APの多いほどモチモチ感がでること、
3) 炊きたてご飯のデンプンはアルファで美味しいが、放置するとベータデンプンに成って美味しくなくなりかつ消化もされないこと、
を紹介しました。
まず、2)の「うるち米はAL:APがほぼ20:80」のことを、もう少し展開します。
うるち米の栽培品種は多種あり、AL:AP割合の微妙な差(ALが17~23)で食味に影響がでるのです。
具体的には下図を参照ください。
(ohtashp.comより引用)
赤丸の数字は作付面積の多い順で、ここ数十年は「コシヒカリ」がトップを独走(30数%で2位以下は10%未満)しています。さらに2位の「ひとめぼれ」、4位の「あきたこまち」もコシヒカリが品種改良されたものです。
最近の注目は低アミロース米で、ALが3~17%と低くて、通常のうるち米ともち米の中間の特性を持っています。すなわち、独特のもっちり感と旨味があり、冷めても美味しいという特徴があり、代表的な品種は「ミルキークイーン(AL≒10)」で、コシヒカリの突然変異育種です。
次に、3)の「放置した(冷めた)ご飯のデンプンはベータ化して消化されない」という点です。
そもそも消化とは、大きな分子を分解して吸収しやくすることです。
デンプンを消化するのはアミラーゼという酵素で、アミロースやアミロペクチンの直鎖状のブドウ糖の鎖を分解します。しかし、ベーター化して水分が抜け鎖同士が密なると分解できなくなるのです。
もう一つ、デンプンにはレジスタントスターチという消化しにくいデンプンがあり、食物繊維と同じような働き(水溶性と不溶性の両方の働きを持つハイパー食物繊維とも)をします。
元々米には1%程含まれており、冷めたご飯になると約1.6倍に増えるとのこと。
いずれにせよ、冷めたご飯には消化されにくいデンプンが増えているので、血糖値が上がり難く(セカンドミール効果も)かつ食物繊維様の働きが期待できます。
温かいご飯が美味しく栄養的にも優れているのですが、昼食を常温のままのお弁当ご飯や冷めたおにぎりにすると、糖質削減(ダイエット効果)になり夕食の負担も減りますので、暫く続けてみてその効果を実感してみてはいかがでしょうか。
(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)