Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

夏野菜の「トマト」と「オクラ」、それぞれの健康効果は?

夏野菜と言えば、先ず赤くて丸い「トマト」が浮かびますが、緑で角形の尖った「オクラ」も7~8月が旬なので見逃せません。

 

そこで本報では、そんなオクラをメインに、トマトもリブログで情報提供します。

 

          

 

オクラと言えばネバネバ野菜として知られていますが、市民権を得たのは50年ほど前と、比較的新しい野菜の部類に入ります。

 

このネバネバの成分が、オクラの健康効果の大半を担っているとも言えます。

 

それは、ムチンという多糖タンパク質やペクチンという水溶性食物繊維です。

ムチンには胃の粘膜を保護する作用があり、ペクチンには腸内環境を改善する作用があるので、両者相まって、夏場の弱った胃腸を整えて食欲を増進する効果が期待できるのです。

さらにムチンは、抗ウイルス作用やタンパク質の吸収促進による疲労回復効果も示されています。またペクチンにも、血糖値や血中コレステロールの低下作用が知られています。

 

β-カロテン(プロビタミンA:トマトの赤い色素リコピンも仲間)が豊富で、抗酸化作用により紫外線の害から皮膚や目を守ってくれます。

 

その他、ビタミン類では葉酸(水溶性のビタミンB群の一種)、ミネラルではカルシウムが野菜としては多い方です。

 

ちなみに、オクラを加熱する場合には考慮が必要です。すなわち、ネバネバ成分のムチンもペクチンも水溶性で熱に弱く、またβ-カロテンは脂溶性で熱には強いので、両者は真逆の性質なのです。従って、新鮮な内に生食(*)するのがお勧めかも?

 

トマト」に関しては、「夏野菜のトマトは、リコピン効果で優れた食材」として配信済み(2021.7.16)ですので、閲覧してください。

 

いずれにしても、これらの夏野菜を摂ることが、厳しい夏場を乗り切る一助にはなっても全てではないので、常に発している「健全な食事と良質な睡眠」を心掛けて実践することが重要です。

 

((*)フーディストノート:オクラって生で食べられますか?(2020.6.28)を参照願います。また本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)