嫁に食わすなと言われる「秋なす」、多いメリット!
夏野菜として代表的な「なす」は6月頃から9月頃までが旬ですが、厳密にはその間に株を切り戻しするので、前者が夏なすで後者が秋なすと呼ばれます。
「秋なすは嫁に食わすな」ということわざがありますが、その理由には諸説あります。
・嫁には食べさせたくないほど、美味しい
・体を冷やすので、心配して嫁には食べさせられない
・種が少ないので、嫁が子宝に恵まれなくなるのを懸念して
・嫁ではなく夜目、すなわちネズミに食われないように
本報では、そんな秋なすの栄養・健康効果を含めたメリットを紹介します。
まず、夏なすが皮が厚く身が詰まっていて食べ応えがあるのに対して、秋なすは皮が薄くて柔らかく、みずみずしい美味しさがあります。
栄養成分に関しては、季節毎の分析値はないので夏と秋の違いは判らず、平均値(生、100g当たり)を示します。
水分が90g以上でエネルギーは20kcal以下なので、水分が多くかつ低カロリーです。豊富な栄養成分もほとんどなく、カリウム220mgと食物繊維2.2g位です。
ただし、栄養成分以外に健康成分が含まれているので、特筆します。
・ナスニン:皮の紫色素はアントシアニン(ポリフェノールの一種)で、抗酸化作用あり
・クロロゲン酸:なすのアクに含まれる褐変物質(ポリフェノールの一種)で、抗酸化作用あり
・コリンエステル:神経伝達物質でありなすに特有(他の農産物の1000倍以上含有)で、高血圧や気分の改善に効果あり
→ これを根拠に高知なすが機能性表示食品として受理
これらの成分の健康効果を無駄にしないなすの食べ方は次のように言えます。
・皮ごと食べる
・生で食べる(加熱で失われる成分あり)
・水にさらすアク抜き(水溶性成分が流出)はケースバイケースで
→ 生で食べる場合や切って直ぐに食べない場合は必要(せいぜい10分程度)だが、炒めたり揚げたりする場合には必要なし
・機能性成分コリンエステル(水溶性で熱に強い)を有効利用するには、丸ごとラップに包んでレンジ加熱する
秋なすに絞れば、柔らかさを活かした漬物やラタトゥイユがお勧めですが、煮る・焼く・揚げるとアレンジの幅も広いので、工夫して毎日の献立に取り入れては如何でしょうか。
少々食べ過ぎても体を冷やす心配はありませんが、大量に油を含んだ揚げ物は少し控えめにすべきでしょう。
(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)