Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

「超加工食品」とは?、摂りすぎに注意!

加工食品という言葉はよく見聞きしますが、「超加工食品」は初耳という方が多いのではないでしょうか。

 

                   

 

より高度に加工された食品と推測できますが、つい先日の新聞に「超加工食品取りすぎ注意」との記事が載っていました(*)ので、本報でより詳しい情報を提供します。

 

そもそも超加工食品は、ブラジル・サンパウロ大学の研究者らが考案したNOVAという食品分類法(下表)に基づいています。

 

          (*)

 

Ⅰ類が最も加工度が低い食品で、順にⅡ、Ⅲと加工度が高くなり、超加工食品はⅣ類で加工度が最も高い食品です。

つまり超加工食品は、食材に大きく手を入れて調味料や添加物を加え、味覚や手間の面で消費者が食べやすいようにしたもの、と言えます。

 

食品例を見ると、冷凍やレトルト食品をはじめ即席麺・スープは納得できるものの、炭酸飲料やスナック菓子、大量生産されたパン類やハンバーガーも入ります。しかし作りたてのパンはⅢ類なのです。他にもアイスクリーム等矛盾する例があるとして、このNOVA分類に疑問を呈する専門家もいます。

 

要するにこの分類は、「手作りが良くて、加工食品はダメ」と、俯瞰的に捉えれば良いのかもしれません。

その証拠として、超加工食品の摂取量が多いほど様々なリスクが高くなる(例えば、早期死亡・肥満の他、大腸がん・糖尿病・高血圧の疾病など)との、調査結果が相次いで報告されています。

但しこれらの報告から、超加工食品と各種リスクとの間に関連性はあっても因果関係があるとまでは言えない、とする専門家が多いのです。

 

結論として、超加工食品の摂りすぎが健康に良くないことは確かです。逆に、超加工食品を過度に避けることによって、別の偏った食生活になることも懸念されますので、控えめを念頭に利用しても差し支えないでしょう。

 

そして今一度、食生活改善普及運動(厚労省)でも言われている食生活の基本に立ち返るべきです。

 ・バランスの良い食事・野菜と果物たっぷり・塩分少なく

さらに加えて最も大切なことは、「食事を美味しく」でしょうね。

 

((*)京都新聞(2022.9.26)より一部引用しました。また本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)