野菜の摂取、生が大半も「スープ」がお勧め!
野菜の1日摂取目標値が350gであることはほぼ周知されているものの、実際の摂取量は成人の平均値が280g程で、摂取不足が明らかな現状です。
(大阪府のHPより引用)
普段の野菜の摂取方法は、手軽なサラダ等「生野菜」が大半を占めていますが、その350gは上図のようにかなりの量になります。そこで調理等手を加えることで、カサが減って含有成分の吸収率が上がる等のメリットがあるので、勧められるのです。
本報では、生以外の野菜摂取法の中で「スープ」を取り上げて紹介します。
先ず、「野菜スープを毎日の食卓に取り入れるべき」と提唱しているのが、抗がん剤の権威である故前田 浩氏(熊本大医学部名誉教授)なのです。
前田氏は、がんをはじめ、コロナやインフルエンザ等ウィルスによる炎症の原因は「活性酸素」であることを突き止め(いわゆる活性酸素の害)、中和する成分として「抗酸化物質」を体外から援軍として入れることで予防ができる、との確信を得ました。
次に、何が最適かをスクリーニングした結果、野菜や果物が最高の活性酸素消去物質(=抗酸化物質←ファイトケミカル)を含んでいることが判ったのです。
そして、その摂取法として「野菜スープ」を推奨している。
では、具体的なスープの調整法です。
・大根と人参を基本に玉ネギ、インゲン豆、レタス、小松菜など、10種類程の野菜を細かく刻み、沸騰する前に弱火にして30分程煮る。そして、醤油や塩などで味を調える。
・大根や人参などは根より葉、キャベツは緑の濃い外の方が抗酸化物質を多く含むので、捨てずに炒めて(カロテノイドの吸収アップ)入れる。
・野菜に限らず、キノコ類や海藻類(多糖類が免疫力アップ)、肉類(旨味アップ)を入れても良いし、硬水(ミネラル分アップ)を使っても良い。
野菜の細胞は硬い細胞壁に包まれているので、生のままを良く噛んでも、ジュースやスムージーにしても、それほど壊れません。しかし煮ることで簡単に壊れて、細胞の中の抗酸化物質が外に出てくるのです。熱に弱いビタミンCの分解が懸念されますが、野菜の中ではほとんど壊れません。
結果的に、スープの抗酸化力(活性酸素を消去する力)は、生野菜をすり潰した汁よりも10~100倍強になります。
最後にどんな野菜を使うかに関しては、基本的にハウス栽培よりも露地栽培のもの、季節はずれのものより旬のものが、抗酸化力が強いので、お勧めです。さらに、農薬の少ない有機野菜であればベストでしょう。
野菜をスープにするには一手間掛かりますが、野菜摂取量の上積みになる上に、健康効果はがんや感染症予防、免疫力アップ、腸内環境改善など計り知れません。是非、毎日の食卓に取り入れてください。
(本情報は、奥野修司氏(野菜は「生」で食べていけない,講談社の著者)の記事を参照し一部引用しました。また本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)