Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

10月18日は「冷凍食品」の日、そのメリットやお勧めは?

冷凍食品の日は、冷凍の凍(とう)から10、その管理温度が-18℃以下から18にちなみ、10月18日に業界団体の日本冷凍食品協会が定めました。

        

       

 

ここで言う「冷凍食品」とは、単に凍った食品や凍らせた食品の一般名称ではなく、業界用語で次の4つの条件を満たしている食品のことです。

  • 前処理している:新鮮な原料を洗浄し、可食部のみにする
  • 急速冷凍している:-30~-40℃で素早く凍結し、品質を保つ
  • 適切に包装している:流通・保存時の品質低下を防ぎ、衛生状態を保つ
  • 品温が-18℃以下に保たれている:微生物が増殖できない-15℃以下より、さらに3℃低く設定し、腐敗防止だけでなく風味や味わいの劣化も防ぐ

 

冷凍食品の国民一人当たりの消費量は、日本冷凍食品協会が発足した1969年の1.2kgから、半世紀後の2018年には22.9kgと20倍弱に伸びていて、今や食卓の必需品であることは疑う余地がありません。

 

その冷凍食品のメリットを挙げると次の様になります。

 ・前処理済みで、少しの手間(加熱や簡単な調理)で食べられる物が多く、時短になる

 ・急速冷凍の技術により、品質が保たれ、味わいも良い

 ・保存が利き、衛生的なので、安心してストックできる

 

逆にデメリットとして、食品添加物が多い、栄養が壊れている、食事が偏る、等が指摘されています。

しかし前2者に関しては冷凍食品に限ったことではなく加工食品全般に言えることで、かつ加工の度合いやその過程により多少が出てきます。さらに食事が偏る点に関しては、当然冷凍食品のみではそうなりますが、組み合わせの中の一品であれば(そうあるべき)、問題にはならないはずです。

 

冷凍食品別の人気は、調理済みかつ加熱するだけで食べられる餃子や唐揚げ、炒飯等ですが、ここでお勧めしたいのは、「冷凍野菜」です。

もちろん、旬の野菜を生で食べるのが栄養的には優れているが、買い置きすると鮮度は落ちていくし、今は毎日の買い出しも難しい状況なので、冷凍野菜が重宝するのです。

 

冷凍野菜は、旬の時期の物を使い、ブランチングという加熱処理を行なった上で、急速冷凍して作られます。ブランチング処理で水溶性かつ熱に弱い栄養素(ビタミンB群やC、一部のミネラル等)が多少減るが、旬以外の時の生よりも優れている面も多いのです。

そして使う際には、自然解凍ではなくそのままで加熱調理やレンチン等の急速解凍して、かつ加熱しすぎないことです。

 

最後に冷凍食品の品質に関してですが、日本冷凍食品協会による「冷凍食品認定制度」に適合した工場で作られ、認定基準に適合した冷凍食品のみに付けることができる認定証マーク(下図)があります。

安全と信頼の証なので、包装の表示で確認すれば安心できます。

 

冷凍食品に頼り切るには良くないですが、上手に活用すれば食生活が豊になることは確かですね。

 

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)