Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

寒い時期に「食」で体を温める、ちょっとした心得とは?

本格的な冬の到来前に気温が10℃を下回ってくると、寒さが身に凍みてきて、温かい料理が恋しくなります。

 

       

 

当該ブログでも、“寒い冬には、「あたたかい飲食物」がお勧めですが・・・?”と題して配信済み(2020.1.18)ですが、本報ではバージョンアップした更新リブログとしてお届けします。

 

食で体を温める方法として、誰でも思いつくのが「①温めて飲食する」ですが、加えてあまり知られていない「②体を温める食材を使う」もあるのです。

 

先ずは「温めて飲食する」ですが、温め方には種々あり、その効能に優劣があることを知っていますか。単に飲み物を温めるだけの場合は別にして、温かい料理を作る調理法が対象です。

 

食材に対しての作用が優れているのは、

順に「蒸す→煮る→炒める→焼く→揚げる→電子レンジ

になります。

 

 ・「蒸す」は蒸気によって満遍なく温められ、栄養も失われにくいのです。

 ・「焼く・揚げる・電子レンジ」による調理法は、糖化によってAGEsという老化物質が生成しやすくなるのです。特に電子レンジは短時間で高温加熱のため、水溶性ビタミンの流失が抑えられる利点はあるものの、脂質の劣化や糖化の進行が顕著なので、手軽さだけでの使用は考えものです。

 

次に「体を温める食材(調味料を含む)を使う」のことです。

 

薬膳の食性に五性というのがあり、体を温める作用があるのか否かで「熱 → 温 → 平 → 涼 → 寒」の5段階に分けられますが、熱と温のものを挙げます。

 ・:羊肉、酒類、生ニンニク、乾燥生姜、胡椒、山椒、唐辛子など

 ・:牛肉、鰻、エビ、カボチャ、玉ネギ、長ネギ、小松菜、生姜、味噌、紅茶など

 

また漢方では、体を温めてくれるか否かで「陽性 →中性 → 陰性」に区別しています。敢えて、薬膳での熱と温に挙げなかった陽性の食材を取り上げます。

 ・陽性赤身魚、卵、チーズ、根菜類(レンコン、ゴボウ、人参)、リンゴ、ブドウ、サクランボ、桃、みかん、ゴマ、ピーナッツ、黒豆、小豆、醬油、ハチミツなど

 

もちろん、①と②を併用することで、相乗効果が得られることは確かなので、具材を入れて煮ながら食べる「鍋もの」が人気になるのは頷けます。また蒸し料理も多数のレシピが紹介されているので、参照してください。

 

いずれにしても「熱い」飲食物は、食道や胃の負担になり上咽頭がんの発症リスクも高くなりますので、熱すぎる物の頻繁な飲食は控えるべきでしょう。

あくまでも「温かい」ですよ。

 

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)