骨だけでない「ビタミンD」の恩恵、この時期に見直しを!
骨作りに関わるビタミンとして知られる「ビタミンD」ですが、このところ、新型コロナウイルス感染リスクや重症化率の低下に効果がある等、多彩な効能が明らかになってきています。
当該ブログでもビタミンDは2報に渡って配信済み(2021.1.15 & 8.28)ですが、その生成に日光が必要であり、かつ最新の情報(*)にも接したこの時期に、更新リブログします。
(https://himitsu.wakasa.jpより引用)
先ずは、ビタミンDの多彩な効能と不足時の症状(特に太字)を確認しておきます。
A) 多彩な効能
・カルシウムの吸収を促進し、骨を強くする
・筋肉の合成を促す
・免疫機能を調整する
・乳がん・大腸がん・糖尿病のリスクを下げる
B) 不足時の症状
・くる病や骨軟化症になる
・骨折や骨粗鬆症のリスクが高くなる
・筋力が低下する
・アレルギーを起こしやすくなる
・うつ病になりやすい
食事摂取基準(厚労省,2020年版)によれば、ビタミンD摂取の目安量は8.5μg/日(18歳以上の男女)ですが、実際の一日摂取量は7μg程(国民健康・栄養調査(2018年))で、摂取不足(特に青年層)が明らかです。
そこで、ビタミンDの摂取量を増やして血中濃度を上げる有効な方法について紹介します。
1) 食品から摂取する
魚介類やキノコ類には多いが、肉類は少なく、穀類や野菜・果物類には含まれない。
・サケ(一切れ/80g)→25μg
・ブリ(一切/80g)→6.4μg
・しらす干し(半乾燥品/10g)→6.1μg
・全卵(ゆで/50g)→0.9μg
・きくらげ(乾燥品2g)→1.7μg
・干しシイタケ(6g)→0.8μg
なお食品に含まれるのはビタミンDの前駆体(プロビタミンD)で、熱に強く調理で壊れることはない。
2) 日光に当たる
皮膚に紫外線が当たることでビタミンD前駆体が合成される。有効な紫外線は直射日光や屋外の日陰(服やガラス越しは無効)で、夏場は10~20分(冬場には60分)程度当たると、約10μgの合成が可能(下図)。
((*)11月下旬の昼間、顔と両手を出して外出した場合)
3) サプリメントで摂取する
食品から毎日一定量を摂取するのが難しく、日焼けは避けたい人も多いはず。そんな時にはサプリメントの利用もあり。
1粒にビタミンD単独のサプリで25~30μg、マルチビタミン類では5~5.5μgを含有。但し、脂溶性のビタミンなので耐容上限量(100μg/日)が設定されていて、過剰摂取のリスクに注意が要る。
1),2),3)いずれの場合も摂取や合成されるのはビタミンD前駆体なので、もう一段階肝臓と腎臓を経て活性型のビタミンDに成ることが、血中濃度を上げて効能を発揮するためには必要です。つまり、肝臓と腎臓が正常に機能していることもベースに要ります。
いずれにしても寒くなるこの時期に、ビタミンDの摂取不足にならないように注意して、その多彩な効能の恩恵を受けるべく心掛けましょう。
((*)NIKKEIプラス1:筋肉・免疫・糖尿病 ビタミンDの恩恵、骨以外も多く(2022.11.19)を参照し、一部引用しました。)