健康に良いワインは赤と言われているが、白は?
赤ワインが一大ブームを巻き起こしたのは、20世紀の終わりに出た「フレンチ・パラドックス(フランスの逆説)」がきっかけでした。フランス人は肉やバターなどの動物性脂肪の消費が多いのに心疾患による死亡率が低い、という医学理論に逆らう調査結果を解く鍵として、フランス人が多飲するワインが注目を浴びたのです。
そこで本報ではワインにまつわる情報を、赤のみならず白ワインに関しても提供します。
先ずは赤ワインに関してですが、ポリフェノールが白よりも多く含まれているため、健康に良いというのが定説です。ポリフェノールはブドウの果皮や種子に多いのですが、赤ワインは果皮・果汁・種子の全てを混ぜて発酵させますが、白ワインは果皮と種子は除いて仕込みます。こうした醸造法の違いが両ワインのポリフェノール含量に反映されるわけです。ポリフェノールの成分としては、アントシアニン(赤い色素)・レスベラトロール・タンニン等が挙げられます。昨今注目されているのがレスベラトロールで、脳機能改善・抗がん・老化抑制等の効果が報告されています。その他赤ワインの抗酸化力で、LDLコレステロールの酸化防止やピロリ菌の殺菌作用も発表済みです。
一方白ワインは和食と相性が良いとも言われていますが、幾つかの健康効果が明らかになっています。ポリフェノールは赤の半分以下しか含まれませんが、分子が小さくて吸収されやすいので、抗酸化力が高い等性能が良いと言えます。食中毒菌に対する殺菌力も赤ワインより強いです。その他、消化促進やリラックスの効果も期待できます。
いずれにしても飲酒することになりますので、1日に200mL程度を目安とし、飲み過ぎには気をつけてください。またワインが苦手な人には、料理に使ってポリフェノール(良質で加熱には比較的安定)を摂る方法もありです。
(この情報の一部は、佐藤充克さん(山梨大院)のWEB記事を参考にしました。また本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)