Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

健康に良い塩分摂取とは?(その2:その上手な対策)

先ずは塩分摂取に関心を持ち、大まかで良いので自分の1日摂取量を知ることです。
 そのためには、第一に好みの塩分濃度や塩加減を押さえないといけません。丁度良い加減の濃度は0.8%前後ですので、濃いめは1.21.0%で薄めは0.6%と見なしてよいでしょう。これで例えば汁物(ラーメンの汁・味噌汁・スープ等)500mL飲んだ場合、塩分摂取量は濃いめ好みで(1.2×5)6g、薄めでは半分の3gになります。ただ一般的には様々な味が混在する食物では、塩分の濃淡を味覚だけで判断するのは難しいのです。例えば漬物の福神漬は塩分が5%を超えている製品もありますが、ほとんど塩気は感じないので塩分の摂り過ぎに繋がっていきます。

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そこで第二に重要なのが、製品に表示されている塩分量を確認することです。最近食品表示制度が改正され、これまでの任意表示が義務表示化されました。従ってパッケージには、必ず「栄養成分表示」として「食塩相当量(従前のナトリウムも猶予期間につき散見)」が記載されています。これにより、その製品を何g食べたら何gの塩分を摂ったことになるのかの見当がつくことになります。
 
具体的な料理や食品中の塩分量の詳細は他の情報源に譲るとして、例(1食当たりの目安量)を少し挙げますと、カレーライス→3g、卵焼き→2g、ハンバーグ→3g、鰺の干物→1g、味噌汁→1.5g、外食の丼物→34gとなります。
余分な塩分の摂りすぎを防ぐ主な減塩のコツとしては、1)新鮮な食材の持ち味を活かす、2)出汁・酢・薬味・香辛料等の風味を効かす、3)汁物は具沢山にして汁は減らす、4)常に薄味を心掛け、塩分の多い食品を避ける、5)減塩あるいは低塩製品を上手く利用する、等があります。またカリウムは体内の余分なナトリウムを排泄する働きがありますので、それを多く含む野菜や果物を生で食べると減塩効果が増すことになります。
(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)
次報では、さらに「適塩」に向けてのコツや工夫について紹介します。