機能が注目の抗酸化食品(その1:定義と具体的な食品例)
機能性表示食品というカテゴリーがあることをご存知ですか? 特定の保健の目的が期待できる食品に、「おなかの調子を整えます」や「脂肪の吸収をおだやかにします」等の機能性を、事業者の責任において表示できるという制度です。その中でも特に注目されている「抗酸化」の機能に焦点を当て、2回に分けて情報提供します。
抗酸化とは対象を我々の体とすると、酸化とは体が錆びる、すなわち老化することを意味します。従って、「抗酸化」とは老化に抵抗することで、いわゆる「アンチエイジング(抗加齢)」です。従って抗酸化食品とは、老化予防あるいは抗加齢の機能を有する食品の総称になります。
抗酸化力を有するか否かさらにその強弱は、酸化の元凶である活性酸素種を消去する能力を、実験的に測定する方法で証明されています。その方法には測定原理の異なるORAC法、DPPH法、ESR法など多種多様ありますが、得られる結果が異なる(例えば、ある試料の抗酸化力がORAC法では強くても、DPPH法では弱い)ため相互比較は不可能な現状です。
ORAC値の高い食品(アメリカ農務省;現在は削除も重要な目安にはなる)としては、クローブ・シナモンなどの香辛料やパセリ・バジルなどのハーブ(粉末や乾燥品で水分がほとんどない)が上位にランクされています。生のものでは、チョコレート・パプリカ・インゲン豆やベリー類の果物が目につきます。また、デザイナーズフーズピラミッド(アメリカ国立がん研究所、1990年)で、がん予防効果の高い(抗酸化力が強いとも言える)トップはニンニクで、その下にキャベツ、大豆、生姜、人参等が上層部を占めています。東北大学の研究(1999年)による抗酸化力ピラミッドの頂点が、バナナであることも良く知られています。
(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)
次報ではその2として、抗酸化食品の摂取効果と将来展望について、紹介します。