健康に良い油と悪い油(その1:種類と構成脂肪酸)
油(脂質)は糖質、タンパク質とともに三大栄養素の一つですが、健康にとっては良くないイメージがあるかもしれません。油はエネルギー源である他に、細胞膜やホルモン・胆汁の材料になり、皮下脂肪は保温にも役立っていますので、体には重要な成分なのです。しかしその種類は多く複雑で、上手な摂り方をしないと健康を損ないかねません。
本報では、まず油の種類や構成成分の違いや生理作用を明らかにした上で、上手な摂り方に言及します。
一方不飽和脂肪酸の中には、逆に体内では合成できない必須脂肪酸(3種:リノール酸・α-リノレン酸・アラキドン酸)が含まれており、食事(特に植物油や魚油)からの摂取が欠かせません。まず不飽和脂肪酸は含まれる二重結合の数により、一価と多価(二価以上)に分けます。さらにその二重結合の位置によりω(オメガ)3とω6とω9とに分かれ、必須脂肪酸ではα-リノレン酸はω3で残り2種はω6に属します。サプリメントとして注目のEPAやDHAも不飽和脂肪酸で、いずれも多価でω3です。天然に多く存在しているのはオレイン酸で一価のω9です。
(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)