コレステロールの新常識(その1:役割とその種類)
前報の「健康に良い油と悪い油(その3)」の中で、2015年版食事摂取基準からコレステロールの摂取制限が撤廃された、と言う情報を提供しましたが、本報ではもう少し詳しく「新常識」として紹介します。
食事からのコレステロール摂取量は0.3g前後ですので、合成量の20~30%を占めているに過ぎません。もし食事からの摂取量が多くなり吸収されて肝臓に運ばれれば、肝臓がそれを察知して、合成量を少なくすることで全体量を調節しています。しかし食事からの過剰摂取が続いたり、加齢とともに全体量の調節作用が衰えたりすると、血中のコレステロール値が増加して、悪影響を及ぼすようになります。
コレステロールには俗に悪玉と呼ばれるLDLコレステロールと善玉のHDLコレステロールが知られています。この俗名はその役割から来ており、前者は肝臓からコレステロールが血液を通して全身に運搬されて有効利用される(運搬役)のですが、過剰になると血中に貯まって悪さをするので「悪玉」、後者はその逆に血液中に残ったコレステロールを回収して肝臓に戻すことによって(回収役)減らしてくれるので、「善玉」なのです。この2種の他に「第3」としてレムナントコレステロールがあります。レムナントとは「残り物」という意味ですが、これが悪玉よりも危険なコレステロールとして最近注目を集めているのです。
(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。