Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

伝統食材「梅」の健康効果

日本古来からの伝統食材である「」は、元々薬として使用されており、主に加工して保存食として食されてきていました。特に夏場の食欲が低下しているときには、酸っぱいものが効果的と言われていますので、改めて梅の健康効果を紹介します。

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夏前の雨の多いジメジメした時期のことを「つゆ(梅雨)」と言い、梅の字が入っていますが、丁度、青梅の実が収穫されるのが67月である所以だそうです。
 
梅と言えば、酸っぱいものの代名詞にもなっていますが、その成分はクエン酸」等の有機です。
先ず、酸っぱさで唾液の分泌を促して食欲を増進させ、胃液や消化酵素の分泌も高めて、消化吸収を助けてくれます。
次に、クエン酸やリンゴ酸はエネルギー代謝系の成分そのものでもあり、これら栄養素のエネルギーへの変換を進めるので、疲労回復効果が見込めます。
更に、クエン酸には微生物の繁殖を抑える効果があるので、おにぎりや弁当に入れると腐りにくく、食中毒の予防にも繋がります。
その他、抗酸化作用により老化防止効果のあるポリフェノール(梅リグナン)やビタミンEも含まれ、またカルシウム・鉄なども豊富で、クエン酸はこれらのミネラルの吸収を促す作用も持っています。
このような健康効果から、「その日の難のがれ」とか「一日一粒で医者いらず」などと称されているのも、頷けるはずです。
 
最後に梅の摂り方です。
梅干しで食するのが一般的ですが、塩分には注意が必要です。大粒の梅干し1個(10g前後)に含まれる塩分(多いもので2gから減塩もので1g以下まで様々)の表示を確認し、1日に12個に留めるべきでしょう。更に梅ジュースや梅酒として飲む、梅ジャム梅ドレッシングとして使う、梅の各種レシピを利用してアレンジする、などの摂り方もあります。
健康パワーを秘めた梅をこれからの「夏バテ」解消に、是非、役立ててください。
(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)