2019-01-01から1年間の記事一覧
気温が下がる冬場になると、体を温める働きをもつ「生姜(ショウガ)」が重宝されます。最近ではスパイシーな風味とともに、生姜湯がブームとも言われているようです。 そもそも生姜は、漢方では「百邪を防御する」と古くから処方されており、またデザイナーフ…
「こたつでみかん」は昔からお馴染みの冬の景色ですが、そんな冬の果物の代名詞である「(温州)みかん」の健康効果について紹介します。 まず「三ヶ日みかん」が、4年前に生鮮食品としては最初の「機能性表示食品」として、消費者庁に受理(制度開始の半年後…
前報(その1)で、チーズは優れた栄養を保つことを紹介しましたが、独特のクセがあるブルーチーズに象徴されるように、好き嫌いが目立つ食材で食卓に上りにくいのが実情です。 しかし、タピオカドリンクがブームの中、次に来るのはチーズドリンクとも言われ…
食品の「チーズ」を知らない人はいないはずで、多様な製品も市販されています。しかし、何となく苦手で敬遠しがちではないでしょうか。実は手軽な高栄養食品で、その健康効果も高いのです。 本報では、改めてチーズの基礎知識(その1)から健康効果(その2)ま…
ゴマは昔から不老長寿の秘薬とされ、「食べる丸薬」とも言われてきました。日本での生産は鹿児島県等でごく限られていて、国内流通の99%以上が輸入品ですが、市販品は多彩で手軽に入手できます。 本報では、ゴマの栄養から摂り方までを紹介します。 先ず、…
卵に表示されている「賞味期限」は、夏期に採卵後16日以内で生食可(日本卵業協会HP参照)を前提に、パック後2週間に設定している業者が多いようです。できれば賞味期限だけでなく、産卵日が併記されているものを選ぶのがベターでしょう。 卵の日持ちはサル…
昔から卵と言えば「ニワトリの卵(鶏卵)」(以下「卵」)を指し、安価で栄養価の高い食品として、食生活を潤してきました。 今回は、卵の栄養価から賞味期限と保存法、1日何個可など多彩な情報を、2報に渡って紹介します。 先ず、生卵の栄養価(100g当たり:…
ジュース(juice)とは、一般に果物や野菜の汁のことですが、日本の食品表示基準では100%果汁のみを「ジュース」と表示し販売できます。従って100%以外の物は「果汁入り飲料」となります。 ジュースの市販品としては、果物や野菜ジュースの他、両者のミック…
青魚の健康パワーの主な源はω(オメガ)3脂肪酸のDHAやEPAですので、これらの脂肪酸の量と効果を失わないように調理することがポイントになります。 先ず、DHAとEPAの1日に摂るべき目標量を示しますと、食事摂取基準(厚労省,2015年版)ではDHAとEPAの合計量で1…
青魚とは、一般的に「背が青い赤身の魚」の特に安価な大衆魚を指します。見た目や肉質の特徴からの総称で「光りもの」とも呼ばれますが、魚類の分類学では使われない言葉です。 具体的には、サバ、アジ、イワシ、サンマが有名ですが、ブリ、ニシン、サワラ、…
近年は夏場だけでなく、一年中食されている冷菓に「アイスクリーム」があります。人気を裏付けるように、高級なアイスから氷菓子まで多彩な製品が市販されていますが、その中で、正式にアイスクリームと言える(アイスクリームと表示されている)のは、ごく一…
前報で甘酒には2種類あり、飲む点滴と称されている「麹甘酒」が優れた健康効果を保つことを紹介しました。 本報では、麹甘酒をどのように日頃の食生活に摂り入れれば良いのかについて、言及します。 もともと甘酒は、古く江戸時代には夏を乗り切るスタミナ…
ここ数年前くらいから「甘酒ブーム」と言われており、店頭には多種多彩な甘酒製品が並んでいるのを目にします。甘酒は、記念日が1月20日だそうで冬のイメージですが、実は俳句では夏の季語で、夏バテを防ぐ栄養ドリンクの意味合いがあったようです。 発酵食…
前報では香辛料(薬味)の定義と種類を紹介しましたが、本報では、暑気払いに繋がる効能や食事に利用できる具体例に言及します。 香辛料(薬味)の主な効能を、先ず夏場に重宝する理由としてまとめると、次のようになります。 ・香りと彩りで食欲増進(消化促進…
梅雨が明けて本格的な夏を迎えると、屋内外の気温差や強い紫外線や高湿度が原因で食欲が落ち、体の不調(いわゆる「夏バテ」)を訴える人が多くなります。 夏バテの解消法(主に食事法)については当該ブログでも紹介しましたが、特に食事の面で、大いに手助け…
どこの食卓にも必ずある定番の酸味調味料に「お酢」があります。その醸造技術はお酒のそれとともに、4,5世紀頃に中国から伝わったとされています。酢は、原料成分のブドウ糖など糖分をアルコール発酵により(エチル)アルコールにし、更にそれを酢酸発酵で酢酸…
今まさにブームの飲み物に、「タピオカドリンク」があります。人気店では行列が絶えず、透明なプラカップを飲みながら持ち歩く若い女子が風物にもなっています。 独特のモチモチ感にハマるようですが、一方で、「摂り過ぎると体に悪い」という指摘も目にしま…
Yahooブログからの移行に伴う、当該ブログでの初投稿を9月一週(木曜)と予告していました。 しかし、その前日の雷による過電流の影響か、Wi-Fiに不具合が生じ、インターネットが正常に繋がらなくなりましたので、投稿が叶いませんでした。 週明けの本日、…
はてなブログの読者の皆様、初めまして! Yahooブログの終了に伴い、Dr.トムの「食と健康」情報ブログを移行してきました。 健康を左右する最も重要な要素である「食」に関する情報を、専門家(Dr.とは博士の学位を取得しているという意味で、記事の信頼性の…
日本古来からの伝統食材である「梅」は、元々薬として使用されており、主に加工して保存食として食されてきていました。特に夏場の食欲が低下しているときには、酸っぱいものが効果的と言われていますので、改めて梅の健康効果を紹介します。 夏前の雨の多い…
ジメジメした梅雨が明けると猛暑の夏がやってきます。昼間の体へのダメージと夜間の睡眠もままならず、体がダルかったり食欲が落ちたりするのが「夏バテ」です。 夏バテとは、夏特有の高温多湿の環境が原因で、体が正常に機能しなくなって起こる体調不良のこ…
キウイフルーツは年中店頭に並んでいますが、4月~12月頃は輸入物で、12月~4月頃は国産物と住み分けられています。輸入物の主な産地はニュージーランドで、元々は中国原産の「支那猿梨」という果物ですが、ニュージーランドに持ち込まれて国鳥のキーウィの…
前報でコレステロールは体にとって必要な成分であり、その70~80%は体内で合成されていること、その種類にはLDL(悪玉)・HDL(善玉)・レムナントの3種があることを紹介しました。本報では検査データの読み方から、その悪影響の改善法に言及します。 まず血液検…
前報の「健康に良い油と悪い油(その3)」の中で、2015年版食事摂取基準からコレステロールの摂取制限が撤廃された、と言う情報を提供しましたが、本報ではもう少し詳しく「新常識」として紹介します。 これまでは「脂肪、特にコレステロールは何となく避ける…
前報までで、生理作用の違いによって健康に良い油と悪い油があり、その違いは油を構成している脂肪酸の種類が関係している(前者は主にω3・ω9不飽和で、後者は飽和・トランス)ことが判りましたので、この最終報では具体的な油の摂り方を食事摂取基準(2015年版)…
前報では一口に油というけれど、液体の油と固体の脂があること、その違いは油脂を構成する脂肪酸の種類(飽和が多いのか、不飽和が多いのか)によること、さらに二重結合を持つ不飽和脂肪酸にはその数により一価と多価、その位置によってω3,6,9に分かれるこ…
油(脂質)は糖質、タンパク質とともに三大栄養素の一つですが、健康にとっては良くないイメージがあるかもしれません。油はエネルギー源である他に、細胞膜やホルモン・胆汁の材料になり、皮下脂肪は保温にも役立っていますので、体には重要な成分なのです。し…
ビタミンという栄養素名を知らない人はいないはずです。しかしその中身は、AとかBとかアルファベット順かと思えば跳んでKがあったりと、複雑多岐です。その全体像は他に譲るとして、本報では唯一「群」の付く「ビタミンB群」について紹介します。 水溶性…
味噌の種類は、本報(その1)でも記したように麹により米・麦・豆3種類ありますが、市販の主流は米味噌です(ちなみに愛知で有名な八丁味噌は豆味噌)。味噌の色の違いは発酵・熟成過程で起こるメイラード反応(褐変)によるもので、その期間が長くなるにつれて赤…
味噌汁が塩分過多に繋がるというデメリットは、減塩の工夫(前報)で軽減できますし、味噌中の塩分は同じ食塩量でも減塩効果があるという論文(共立女子大・上原誉士夫,2012;広島大名誉教授・渡邉敦光,2017)、が発表されたこともあり、気にかけなくても良いよう…