完全栄養食品「鶏卵」の摂り入れ方は?(その1:栄養価と機能性)
昔から卵と言えば「ニワトリの卵(鶏卵)」(以下「卵」)を指し、安価で栄養価の高い食品として、食生活を潤してきました。
今回は、卵の栄養価から賞味期限と保存法、1日何個可など多彩な情報を、2報に渡って紹介します。
先ず、生卵の栄養価(100g当たり:Mサイズの2個分)を挙げます。
・エネルギー 151kcal・タンパク質 12.3g・脂質 10.3g・炭水化物 0.3g(食物繊維 0g)
・ミネラル:Na 140mg・K 130mg・Ca 51mg・P 180mg・Fe 1.8mg・Zn 1.3mg
・ビタミン:A 150μg・D 1.8μg・E 1.0mg・B2 0.43mg・B12 0.9mg・葉酸 43μg
(但し、A:レチノール活性当量、E:α-トコフェロール)
数値を羅列しただけではピンときませんが、タンパク質以下の太字で示した栄養素は、1日に摂取すべき推奨量(但し、30~49歳男性が対象)の15%以上を占めていて、バランスの良い栄養価の高さが伺われます。タンパク質のアミノ酸スコアは100と良質で、脂質も必須脂肪酸のリノール酸が豊富ですが、コレステロールが420mg含まれています(次報で指摘)。またゆで卵にすると、熱に弱いビタミン類(葉酸等)は多少影響を受けますが、全体的な栄養価は生卵と遜色ありません。
卵を黄身と白身を分けて食べることは希有でしょうが、卵黄に上記の栄養素の大半が含まれており、卵白に多いのはミネラルのナトリウムとカリウムくらいです。ちなみに卵のサイズでLは60gでMは50gですが、卵黄はどちらも20gで変わらず、卵白の量が違うのです。
栄養以外の機能性成分として注目されるのは、卵白のリゾチームと卵黄のコリンです。
リゾチームは細菌の細胞壁の多糖類を分解する酵素(溶菌酵素)で、各種の細菌に対して殺菌作用を示す生体(この場合は卵)防御物質です。コリンはリン脂質のレシチンの成分で、体内では神経伝達物質のアセチルコリンになって、脳の活性化や生活習慣病(高血圧症や動脈硬化症等)予防に効果的に働きます。特に卵では、豊富なビタミンB12(上記)がコリンとの相乗効果を生んでいます。
(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)