Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

馴染みが薄い「オートミール」は、優れた健康食材!

オートミール」を知っていますか? まだ馴染みのない人が多いかも知れませんが、欧米では定番の朝食メニューで、日本にも徐々に浸透しつつあります。

一方、より認知度が高いシリアルグラノーラがありますが、それはオートミールを主原料にナッツ類やドライフルーツを混ぜ、シロップで味付けをして焼き上げたものになります。

 

本報では、オートミール優れた健康効果や食材としての汎用性の高さを紹介します。

 

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そもそもオートミールとは、オーツ麦(oat)と食事(meal)が合わさった英語で、オーツ麦を脱穀して調理用に加工して食べやすくしたシリアル食材です。精白していない全粒穀物なので、栄養も豊富です。

 

まずは栄養成分を100g当たり(食品成分表記載)ではなく、1食分を精白米(うるち米)のそれと比較します。

 

エネルギー

タンパク質

脂質

 糖質

食物繊維

   (単位)

(kcal)

   (g)

(g)

 (g)

    (g)

オートミール

 105

  4.1

1.7

18.9

   2.8

精白米

 239

  4.3

0.6

58.2

   0.4

  

 

VB1

 パントテン酸

 カルシウム

  鉄

   リン

   (単位)

(mg)

    (mg)

 (mg)

(mg)

 (mg)

オートミール

0.06

   0.39

  14

 1.2

  111

精白米

0.06

   0.46

   4

 0.6

   67

 

これらのデータから、オートミールはご飯よりも低カロリー・低糖質にも関わらず、タンパク質やビタミンB群(B1、パントテン酸など)は遜色なく、食物繊維やミネラル類(カルシウム、鉄など)はより豊富であることが判ります。また、GI値もご飯よりは低く血糖値の上昇も緩やかなので、ダイエット向きと言うこともできます。

 

オートミールは主に3種類あります。

ロールドオーツ脱穀したオーツ麦を蒸して伸ばしたもので、煮込み料理などに向く

クイックオーツ:ロールドオーツをさらに細かく粉砕したもので、短時間の調理向き

インスタントオーツ:ロールドオーツを味付けしたもので、そのまま食べられる

ロールドオーツは白米、クイックオーツは小麦粉のそれぞれ代用(ほぼグルテンフリー)になるとも言えます。

 

オートミールはご飯に比べると味気なさは否めませんので、一手間の工夫が必要になります。

オートミールの米化には牛乳を加えてレンチンが王道ですが、一晩漬け込んで作るのもありです。そこにフルーツやナッツ類を一緒に入れることにより美味しさがアップしますし、卵や納豆を加えることで栄養価も上がります。さらに白米の代用としての粥や小麦粉の代用でのパンケーキやお好み焼きもできます。その他、レシピも多数公開されていますので参考にしてください。

 

1食30gを目安に、オートミール朝食やおやつ時のスイーツ代わりに取り入れてみては如何でしょうか。

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)