Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

ビタミンB群の生理作用とビタミン剤

ビタミンという栄養素名を知らない人はいないはずです。しかしその中身は、AとかBとかアルファベット順かと思えば跳んでKがあったりと、複雑多岐です。その全体像は他に譲るとして、本報では唯一「群」の付く「ビタミンB群」について紹介します。

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 水溶性のビタミンであるB群には8種類の成分が属していて、次に示す通りです。
 ・B1・B2・B6・B12ナイアシンパントテン酸・ビオチン・葉酸
前半の4種はBを冠し発見順を示す数が添えられていますが、後半の4種は化学名です。
 
これらのB群に共通して言える生理作用は「補酵素作用」です。つまり体内で代謝を司る主役の酵素と共に、個々の反応をスムースに進行させる補助役を担っているのです。
一般に酵素反応は、消化のように主役の酵素(アミラーゼ等)だけで進行するタイプと、酸化還元反応など酵素補酵素とが共存して進行するタイプがあります。補酵素確かに主役ではありませんが、英語ではCo-enzymeと呼ばれていて、酵素と共に働く必須の共同因子なのです。体内で不足すれば、酵素があっても反応に支障を来すことになります。
 
主なビタミンB群の生理作用を挙げます(→以降は不足時の主な症状)。
 ・B1:糖代謝経路の補酵素としてエネルギー代謝に関与 → 疲れ、憂うつ
 ・B6アミノ酸代謝神経伝達物質の生成に関与 → イライラ、寝つきが悪い
 ・B12メチオニン(必須アミノ酸)の生成に関与 → 集中力低下、睡眠障害
 ・ナイアシン三大栄養素代謝(酸化還元反応)に関与 → 無気力、うつ
 ・葉酸ヌクレオチド合成・造血に関与、胎児の成長に必須 → 貧血、胎児の神経障害
 
要するにビタミンB群の摂取不足は、疲れがとれない、ヤル気が起きない等の「ちょとした体の不調」の原因であることが多く、ビタミン剤(B群が主成分)の摂取を促すCMも頷けます。しかし根本的に食生活を見直して、食事からの摂取を習慣づけるべきでしょう。
(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)