手軽な高栄養食品「チーズ」にブームの兆し(その2:健康効果)
前報(その1)で、チーズは優れた栄養を保つことを紹介しましたが、独特のクセがあるブルーチーズに象徴されるように、好き嫌いが目立つ食材で食卓に上りにくいのが実情です。
しかし、タピオカドリンクがブームの中、次に来るのはチーズドリンクとも言われていますし、溶かしたとろとろチーズも人気が出てきているようです。
そこで、高い栄養価(前報参照)に裏打ちされたチ-ズの健康効果について、まとめてみます。
・良質のタンパク質が豊富で、熟成チーズほどアミン酸に分解されていて、消化吸収率が高い。
・脂質も25%前後と豊富ですが、細かい脂肪球のため、エネルギーとして燃焼しやすい。
・ビタミンではAとB2が多く、前者は視覚や皮膚・粘膜の保護に、後者は補酵素作用により脂肪燃焼や疲労回復に、役立つ。
・ミネラルではカルシウムが豊富で、乳のカゼインホスホペプチド(CPP)や塩基性タンパク質(MBP)によりの効率の良い供給源になっており、骨を丈夫にして骨粗鬆症を予防する。
なお、乳製品のカルシウムに関しては、過剰摂取で前立腺がんのリスクがある、逆に推奨量程度では
大腸がんや脳卒中・糖尿病のリスクが低下する、という疫学調査も出ています。
逆に健康にとってのマイナス面とその対策としては、栄養的にはビタミンCと食物繊維を含まないので、野菜や果物と一緒に摂ること、塩分の強い製品(4%弱:パルメザン・ブルー等)があるので、控えめな製品(0.4%以下:モッツアレラ・リコッタ等)や他の食材の塩分を意識することです。但し、チーズは高血圧を予防するという報告もあります。
チーズの楽しみ方も様々ありますが、先ずはチーズの旬を知って味わうことです。春はきめ細かく真っ白なシェーブル、夏は冷たいデザートに最適なフレッシュ、秋は独特の風味が食材と合う青カビ、冬は熟成の進み風味豊かなウォッシュと言われています。お酒(特にワイン)とチーズの相性も良いようですので、シーンに合うチーズを取捨選択し、健康効果も期待しながら楽しく味わってください。
(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)