青魚の健康パワー(その2:上手な摂り方)
青魚の健康パワーの主な源はω(オメガ)3脂肪酸のDHAやEPAですので、これらの脂肪酸の量と効果を失わないように調理することがポイントになります。
先ず、DHAとEPAの1日に摂るべき目標量を示しますと、食事摂取基準(厚労省,2015年版)ではDHAとEPAの合計量で1g以上(18歳以上)です。この両成分は一緒に存在しているので、同時に摂取しています。例えば100g当たりで、サバはDHAが約1gでEPAが約0.7gですし、同様にイワシは0.9gと0.8gになります。
次に食べ方ですが、新鮮な場合には、生(刺身など)で食べるのがベストです。加熱することでDHAやEPAが消失することはありませんが、煮る場合には煮汁の方へ流出したり、焼く場合には脂とともに落ちたり、揚げる場合にも溶け出てしまったりするので、いずれも摂取量が減少してしまいます(もちろん、身は皮ごと、煮汁は捨てずに身と一緒に食べるとベターです)。
DHAやEPA(必須脂肪酸であるとの既述が散見されますが、正確には必須脂肪酸から合成される脂肪酸)は、いずれも高度多価不飽和脂肪酸に属し二重結合を5,6個有しているので、時間経過とともに酸化が進むことになります。酸化すると構造が変化し、その生理作用も変わってしまいます。食材は新鮮なうちに食べるのが良いのですが、酸化を抑える抗酸化成分(ビタミンCやE、ポリフェノール類)と一緒に摂ると、より効果的です。
最近「サバ缶」が一大ブームを巻き起こしましたが、調理が苦手であったりその時間がなかったりする人には、缶詰を勧めます。サバ缶だけでなく、サンマやイワシの缶詰もあります。
缶詰は旬の時期に収穫した脂がのった素材を調理して缶に詰めており、密封後に加熱殺菌しているので、青魚の栄養が丸ごと閉じ込められて、かつ酸化も防いでいるという優れものです。是非、食生活に活用してほしいものです。
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