Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

体に必須の栄養素「タンパク質」の重要性とは?(その3:具体的な摂り方)

本報では、前報でのタンパク質摂取の考え方を踏まえて、具体的な摂り方を紹介します。

 

まずタンパク源を動物性と植物性に分けて、それぞれの特徴を整理しておきます。

 

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A.動物性タンパク質食品(肉、魚、卵、乳・乳製品など)

  ・タンパク質は良質(アミノ酸スコアがほぼ100)で、含有量も高い

 ・肉には飽和脂肪酸が多く、魚にはω3系のDHAEPA等を含む良質の油が多い

 ・ミネラルとして、肉は鉄や亜鉛等が、乳・乳製品にはカルシウムが豊富

 ・炭水化物(糖質や食物繊維)はほとんど含まない

B.植物性タンパク質食品(大豆製品、種実類、米、小麦など)

  ・タンパク質源として、大豆は良質だが、米や小麦はリジンが不足

 ・デンプンや繊維質を含む物が多い

 ・脂質は種実類を除き少ないが、含む場合は良質(ω3系脂肪酸等)

 ・水溶性ビタミン(B群やC)やミネラル(カリウム等)を含む

 

一日のタンパク質摂取量は60g程ですので、なるべく3食で20g前後ずつを分けて摂り、かつタンパク源は動物性と植物性を組み合わせて満遍なく、が理想です。特に卵と大豆(納豆・豆腐等)は、毎日欠かさず摂るように心掛けてください。

一食でのタンパク質摂取量の具体例を示します。

 ・食パン(6枚切り)1枚に納豆(30g)1包と牛乳(200mL)1杯 → 約18g

 ・飯(150g)1杯に牛ステーキ(ヒレ100g)1枚とサラダ(コールスロー50g) → 約23g

 ・きつねうどん(400g) → 約12g → ゆで卵(60g)1個加えると+約6g

 

いずれにしても、タンパク質は体に必須の栄養素です。摂取不足は筋肉量が落ちる等から連鎖して重篤になります。特に高齢者に限っては、フレイル予防のためにも体重1kg当たり1.2g位を目安にすると良いでしょう。しかし過剰な摂取(特に動物性)は、肝臓や腎臓の負担になって骨粗鬆症のリスクも高まりますので、上手に選択するようにしましょう。

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)