Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

ステイホームの今こそ、「朝食」の重要性を見直そう!

我々は一日に3食(朝食、昼食、夕食)が基本の食生活を送っています。その3食の中で、多くの方は恐らく、夕食のウエイトがかなり高いのではないでしょうか。また時間がないからと、朝食を摂らない、あるいは簡単に済ます方も多いはずです。

しかし、最近の時間栄養学の成果として、3食の割合は「朝・昼・夕をカロリー比で3:3:4にするのが適切」であることが判明しましたし、また朝食の摂取が、生体リズムのズレをリセットする役割も担っています(当該ブログ「体内時計(その1&2)」でも紹介済み)。

そこで、普段は何となく疎かにしがちな朝食の重要性について、ステイホームで時間に余裕のある今こそ、再認識したいと思います。

 

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そもそも朝食(breakfast)は絶食(fast)を断つ(break)と言う意味で、夕食から10時間前後の空腹後の食事です。朝食を摂取することで、エネルギーを補給し、体温を上昇させ、かつ生体リズムを整える事ができますので、1日の中で最も大切な食事と言っても過言ではありません。

 

それでは朝食の中身について、見ていきましょう。

・まずエネルギーの補給という意味では、糖質の摂取です。主食のご飯やパン(デンプン:多糖類)の他に、果物(果糖やブドウ糖)や飲み物に入れる砂糖(二糖類)などが必要です。ただ急激な血糖値の上昇を防ぐためには、野菜から先に食べる(ベジファースト)ことが重要になります。

・次に体温上昇かつ良質の睡眠や筋力保持のためにも、タンパク質の摂取は欠かせません。タンパク質は三大栄養素の中で最も食事誘発熱産生が高いので体温を上げ、構成アミノ酸であるトリプトファンは、セロトニンメラトニンに変換されて睡眠の質を上げることに繫がります。

ビタミンやミネラルの補給や血糖値の急上昇(血糖値スパイク)の予防のためには、野菜の摂取も忘れてはいけません。特に代謝をスムースにするビタミンB群(B1,2,6等)は必須です。

 

要は、「高タンパクな朝食」を意識することがポイントです。朝食でのタンパク摂取量として、20~25g程度が目標になります。食材としては鶏卵や魚、ハム&ソーセージ、チーズ、大豆製品が浮かびますが、和朝食や洋朝食など具体的なレシピは別途に参照(例えば、森永製菓:朝こそタンパク質を摂取する!意外な影響と高タンパクな朝食レシピを紹介!等)願います。

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)