体調を司る体内時計(その2:食事が及ぼす影響)
前報で、体内時計(それを調節しているホルモン)が光の影響を受けることを明らかにしました。
朝、太陽光を浴びるのが理想ですが、曇りの日でも窓際で30分位は浴びたいですし、昼間も夕日も浴びるのが良いのです。しかし実際にこれを実行するのは、なかなか難しいですね。そこで「食事」も重要な影響を及ぼしていることを、改めて紹介します。
朝日が体内時計と生活時計のズレ(数十分前後)をリセットするのですが、もう一つ「朝食」がその役割を担っていますので、しっかり摂るようにしないといけません。朝食とはブレイクファスト、つまり絶食を破る食事ですから、人によっては朝とは限りませんが、ダイエットや時間がないなどで抜くと、逆に体内時計を狂わして太ると言われています。
一日3食の割合は、「朝・昼・夕をカロリー比で3:3:4にするのが適切」と時間栄養学で判明しました。夕食が特に高カロリーになるのは避け、朝食との絶食時間は12時間前後が理想です。
また食べ物によって、体内時計を動かすものと動かさないものがありますが、朝食には動かすものが良く、夕食は動かさないものが良いのです。
具体的には、前者はグリセミックインデックス(GI)値の高いもの(白米・パン・ジャガイモ・砂糖など)に、後者では低いものになります。要するにインスリンの分泌を促すものが、体内時計を動かしてリセットしやすいことになり、朝食に良いのです。
コーヒーなどカフェインの多い飲み物は、朝はOKで夜はNGです。ミルクやヨーグルトは夜に摂るのがベターで、骨粗鬆症予防にも繋がります。魚油が体内時計を大きく動かすことも明らかになり、リセット作用や時差ぼけ解消に効果的です。
体内時計に関する研究は、栄養学だけでなく、医学・薬学・運動学に至るまで、急速に進んでいますので注目してください。つい最近では、体内時計の乱れが免疫の老化につながる仕組みが解明された(京都府立医科大:八木田教授)、とする発表もありました。
(この情報の一部は、古谷彰子:時間栄養学が明らかにした「食べ方」の法則(ディスカヴァ・トゥエンティワン,2014.8)を参考にしました。また、本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)