Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

ストレスに強い幸せホルモン「セロトニン」を増やすには?

本格的な冬場に入って気温が下がってくると、寒さと共に気持ちが落ち込んでいき、ストレスが溜まってくる季節でもあります。

そこで登場するのが幸せホルモンと称されている神経伝達物質セロトニン」です。体内でセロトニン分泌を増やすことが、ストレスによる体調不良の軽減に繋がるからです。

 

セロトニンが体内でどのように作られるのかは、睡眠ホルモンである「メラトニン」の概日リズムが関わっています。すなわち、朝起床して太陽光を浴びると、体内時計がリセットされてメラトニン分泌が抑えられ、日中はセロトニン合成が盛んになります。このセロトニンメラトニンの材料になり、日暮れと共にメラトニン分泌が徐々に増えていって、快適な睡眠に繋がるわけです。

 

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セロトニンが幸せホルモンと称される所以は、精神を安定化させてストレスを軽減する作用があり、ヤル気や幸福感に繋がるからで、不足すると鬱(うつ)状態にもなりやすいようです。

 

体内でセロトニンを増やす方法は、主に3つあります。

1)日光や強い照明の光を浴びる:先ず朝の起床後30分が重要で、日中も30分は光を意識する。

2)リズミカルな運動をする:ウォーキングや軽い体操、水泳の他、食事での咀嚼や深呼吸でも良い。

3)トリプトファンを摂る必須アミノ酸であるトリプトファンは体内で合成されないので、食事から摂る必要がある。一般に良質なタンパク質(肉、魚、乳製品、大豆製品など)には多く含まれているが、主食・主菜・副菜をバランス良く摂ることで、セロトニン生成が促される。バナナもお勧め。

その他、人との触れ合いや芸術に接した感動など心が動く経験でもセロトニンは増えます。

 

セロトニンは脳内物質と思われがちですが、第2の脳と言われる腸にも存在し、腸独自の神経系を通して腸の活動に働きかけています。脳と腸はお互いに影響し合っているのです(脳腸相関)。従って、便秘など腸の不調は、腸でのセロトニン分泌が過剰になって脳ではセロトニン不足に陥ります。腸内環境を整える腸活も、安らぎを得ることに繋がることを忘れないでください。

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)