老化の元凶「糖化」とは?(その2:食品中のAGEs)
前報で、体の中での糖化による終末糖化産物(AGEs)の生成と蓄積が及ぼす影響(糖化ストレス)について記し、特に食後高血糖が最大の要因であることを紹介しました。この食後高血糖を予防する対策法については、前報<健康的な糖質摂取は?(その3:血糖値を上げない工夫)>で提供しましたので、参照してください。
本報では、AGEsが体内で作られる場合の他に外から取り込まれる、すなわち摂った飲食物に含まれている場合もありますので、この気になるケースについて紹介します。
前報でも糖化が焦げた状態であり、食品例も少し示しましたので、ここでは調理をする際の「油で揚げたり、焼く」ことによる焦げ目についてです。例を鶏肉100g中のAGEs量(ku)で示します:蒸し焼き→769,水炊き→957,焼く(フライパン)→4938,バーベキュー→8802,唐揚げ→9732。このように蒸したり、水煮の場合は1000以下ですが、焼いたり、揚げた場合には5~10倍のAGEs量に跳ね上がることが判ります。ベーコンはさらに多量で90000強です。ただしこれらのAGEsが全て体内に取り込まれるわけではなく、10%程が体内に溜まると言われています。
なお抗糖化食材の研究も進み、身近なものではモロヘイヤやサニーレタスの葉物やドクダミ茶、ハーブのローズマリー等が有効で、食品成分的には、フラボノイドやクエン酸、ビタミンではB1やB6が有効です。さらに竹内(金沢医大)らの研究に拠りますと、AGEsの主要7種の中でも善玉と悪玉があるらしい(コーヒーのAGEsは善玉?)です。
これらのことを総合しますと、食品による糖化の影響は、一概に色の濃淡だけでは判断出来ませんし体内に溜まる量も少ないので、「揚げ物、焼き物」は控えめにする程度のことを頭に入れておく、を結論として良いのではないでしょうか。
(この情報の一部は、AGE測定推進協会のHP<http://www.age-sokutei.jp/>を参照しました。また本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)