Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

夏に収穫される「かぼちゃ」、食べ頃は秋から冬

ハロウィンでも注目のかぼちゃですが、「旬は?」と問われると躊躇します。

収穫が盛んになるのは夏で、もちろん直ぐに食べられますが、水分が多くて甘味も少ないのです。そして、数ヶ月追熟させることで甘味が増した物が秋から冬にかけて出回るので、これからが旬と言っても良いのではないでしょうか。

 

かぼちゃには日本かぼちゃと西洋かぼちゃ(下図)がありますが、市場に出回っている主流は西洋かぼちゃ(以後かぼちゃ)です。国産品が出回らなくなる12月~6,7月頃は輸入品が店頭に並ぶので、年中手に入れることができています。

 

      

        (orangepage.netより引用・改編)

 

先ずは、かぼちゃ(ゆで)の栄養成分(100g当たり)とその効能です。

 ・糖質は17.4gで、水分(75.7g)を除く成分の7割強を占めている

  → 高糖質でエネルギー源になり、GI値は65で中位。冷やして食べれば血糖値はより上がりにくくなる。

 ・食物繊維は4.1g(水溶性0.9g+不溶性3.2g)含有。

  → 不溶性が多く、便秘の予防や改善に効果あり。

 ・ビタミン類ではAに変るβ-カロテン(果肉の黄色)が大量に含まれ、CとEも豊富。

  → 文字通りACE(エース)が揃い、抗酸化作用(免疫強化、疲労回復等)をより強く発揮できる。

 ・ミネラル類ではカリウムが豊富。

  → 塩分(ナトリウム)の排泄を促し、むくみを予防・改善する。

 

これらの栄養やその効能を逃さない調理および摂取法を紹介します。

 ・β-カロテンやビタミンEは脂溶性でかつ熱に強い成分なので、油と一緒に調理すると吸収率がアップ。

 ・逆にビタミンCは水溶性で熱に弱いが、デンプンに守られているので損失は少ない。茹でたり煮たりする場合には汁も一緒に摂ると良い。

 ・水を使わないレンジ(速熱:調理前処理)やオーブン(じっくり加熱:甘味アップ)をケースバイケースで利用する。

 ・皮にはβ-カロテンや食物繊維が果肉より多く含まれているので、剥かずにそのまま食べるのがベターです。

 ・種にも、良質な不飽和脂肪酸やミネラルなどが豊富なので、上手に調理して料理のトッピングやおつまみなどに活用すると良い。

 

かぼちゃ丸ごと1個は1kg強あって1回で使い切れないので、カットした物(1/2や1/4)を吟味して選ぶのも良いし、一口大にカットされた冷凍物(栄養的に「ゆで」と遜色なし)を利用するのもありでしょう。

 

冬至にはかぼちゃ」と言われて病気予防を願うように、栄養豊富な緑黄色野菜ですので、寒くなるこれからの食卓に活用してください。

但し、食べ過ぎには気を付けるべきで、1日の摂取量としては100g程が無難でしょう。

 

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)