日頃摂る「油」に無頓着でいると、ボケるかも?
食生活に「油」は欠かせないので、家庭には○○油なるものが少なくとも数種類はストックされているはずです。
一見同じように見える食用油でも原料や成分は様々で、エネルギー源(1g当たり9 kcal)に変わりはないものの、それぞれの効能は千差万別であることを把握しているでしょうか。
つい先日も、“ボケる、ボケないは「油」次第…!「サラダ油」と「時間が経っている揚げ物」を避けたほうがいいワケ”(*)というタイトルの記事を目にしました。
当該ブログでも、「油」に関して数報を配信済み(既に1年半も経過)ですが、本報では改めて、油の違いを押さえた上で、上記(*)の新しい情報も含めて更新リブログします。
食用油の中で、日本で開発された植物由来の油が「サラダ油」で、その原料はJAS基準によると、なたね、綿実、大豆、ゴマ、ひまわり、コーン、紅花、米などです。
油は中性脂肪で、その成分はトリアシルグリセロール(トリグリセリド)といい、グリセロールに脂肪酸が3つ結合しています(下図)。
(https://rojiura333.comより引用)
この脂肪酸には多種類あり、飽和か不飽和か、不飽和ならω3系かω6系かω9系か、の違いが原料の違いに関係なく、油の効能に直接影響するのです。
それでは、脂肪酸の系列による油の違いとその効能をリブログします。
・ω9系の油:オリーブ油、なたね油(キャノーラ油)、紅花油、米油
→ 血中の悪玉コレステロールだけを下げ、生活習慣病予防にも繫がる。酸化されにくく加熱調理に向く。
・ω6系の油:綿実油、大豆油、コーン油、ゴマ油
→ 血中の中性脂肪やコレステロールを下げるが、加工食品に多く使われていて摂り過ぎに注意。サラダ油の主原料。
→ 脳の活性化やアレルギー症状の改善、生活習慣病予防が期待できる。酸化されやすく加熱にも弱いので、取り扱いに注意(冷蔵庫保存)。
・飽和脂肪酸の油:ココナッツ油
→ 中鎖脂肪酸のため消化されてエネルギーに代謝されやすく、脂肪として残りにくい。認知症予防効果も期待。常温では固化状態。酸化されにくく加熱調理に向きも、摂り過ぎには注意。
改めて、これら多彩な食用油の使い方をまとめます。
・揚げ物に使う油は、ω6の大豆油やコーン油を避けて、ω9のキャノーラ油やコメ油を選ぶ。
・炒め物など少量の油で良い場合には、ω6のゴマ油もOKだが、ω9のオリーブ油がベター。
・飽和脂肪酸のココナッツ油は、温かい飲み物やトーストに使う。
最後に、最新の情報(*)から気になった点を列挙します。
・サラダ油が海馬を萎縮させて、ボケに繋がる
→ サラダ油のなかでもω6系が主原料のものを加熱すると、毒性の強い過酸化脂質が増えるので、避けるべき。
・スーパーの揚げ物の惣菜は食べるな
→ ω6系のサラダ油を使っている場合が多いし、かつ時間が経つにつれて酸化が進むので、避けるべき。
・脳機能を保つには、ω3系の油やω9系のオリーブ油がお勧め
→ ω3とω6の理想的な摂取割合は1:2だが、現実は1:10なので、前者を増やし後者は控えるべき。オリーブ油には抗酸化物資のポリフェノールが多く、中でもエキストラバージンオイルが良い。
・近年注目のMCTオイルがお勧め
→ 成分の中鎖脂肪酸(大半の油は長鎖脂肪酸が主)がケトン体に変化し、脳のエネルギーを助ける。加熱に弱いので、生を少量ずつ摂取。
いずれにしても、日頃漫然と食用油を摂ることは脳の機能維持には大敵なので、できる限り中身を吟味することが、将来ボケない鍵になることは確か、と言えます。
((*)週刊現代:2022年11月5日号を参照し一部改編引用しました。また本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)